幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

仕事・しごと・シゴト

皆さんは、お仕事順調でしょうか?私は全然順調ではありません。と、言うより今まで順調だったことが無いです。

電車内なんかで、社員章をスーツの襟に付けてる同年輩の男性を見ると、情けない気分になります。私もひとつところでずーっと勤め上げたかったのですが、最初に入った会社が営業不振で解散、その後も営業譲渡で会社が消滅したり、不渡で銀行取引停止で営業出来なくなったとか、止むを得ない事情での転職が多く、仕事運がないとしか思えません。本当に仕事には今迄恵まれませんでした。転職社会になってきた、と言っても、転職者にはまだまだ不利な社会ですよ、日本は。どんなに理由があっても、未だに「転職は悪」と判断する人の多いこと多いこと。でも、今回はそんなことを言いたいわけではありません。

企業はコストセーブの名の下に、正社員を切って派遣にしたり業務委託にしたりしてますよね。人材派遣や業務請負なんて、何でコストダウン出来てるかって言えば、要はおんなじ仕事やってる人の手取りが減ってるだけです。現場の業務が派遣や業務請負で効率化できるなんてことはあり得ない。派遣や業務委託で業務が効率化するんだったら、社員なんて全部クビにして業務委託にすれば良い。でも、そうはなりませんよね。だから業務委託化や派遣への切り替えは、単なるコストカットの為の言い訳でしょう。企業からすれば派遣や業務請負は、労務管理は要らないし保険・年金の負担はないし、必要なときに必要なだけ頼めば相手は企業だからそれに応えてくれる、至極都合のよい存在です。

今時の若者は、単純作業嫌うから、業務請負業者に頼んで外国人労働者を頼るしかないって意見もあるでしょう。業務請負の盛んな仕事は、確かに単純作業が多いです。今時の若者は敬遠するでしょう。だから今そういった仕事は、外国人労働者が居ないと成り立たない。でも、本当にそうですか?分業を突き詰めて以前は社員にやらせていた仕事をどんどん単純化しユニット化し、誰にでも出来る(=業務委託できる)状態になったから面白くなくて、若者が興味を持てなくなったのかも知れませんよね?
加えて企業が業務請負業者に払う費用は社員に対する給与程度の金額で、その中から業務請負業者は自分たちの利益を取り、働く人の年金・保険料を支払います。残った少ない金額を受け取るのは、現場で働いている労働者って図式です。面白くも無く収入も少ない仕事に、若者が夢を抱けますか?外国人労働者の方も、為替で円が強いから、今はお金を稼ぎに来てるからって目的意識があるから出来るのではないですか?

別に私は社会主義者ではないので、資本家が悪だ!なんて論陣を張るつもりはありません。でも、どこの企業でも、市場に商品やサービスを販売して利益を上げているはずです。その市場を支えているのは、他ならぬ労働者ですよね?労働者の収入が下がってきているから、物を買いたくても買えない、買うときは出来るだけ安いものにするようになるのは、当然の帰結です。
だから私は、市場がデフレだ、販売単価が下げ止まらない、なんて企業の経営者が嘆いているのを聞くと「当たり前でしょ!」と言いたくなります。
コストダウンの為に人件費を削減し、社員から業務委託や派遣に切り替えていけば、目に見えて固定費が削減され見かけの利益は上がります。でも、日本全体、社会全体で見ればその分所得の下がってしまう人たちが居るわけで、市場の購入意欲は減退してしまうということに気づかないんでしょうか?
見かけの人件費削減に踊らされず、技術改善・流通改善で利益を生んで、企業として社会に貢献出来ることを一番に考えることは、出来ないものでしょうか?
企業の責任は、社会に優れた商品やサービスを提供することと、働く社員に適正な所得を還元し、消費者として市場社会に貢献出来るように処遇すること、の二つの責任があると考えます。企業の社会貢献の第一歩は、「社員を幸福にすること」だと私は信じています。でも、そんな会社って少ないよね、正直な話。