幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

本当の強さ。

亀田興毅バッシングが吹き荒れてますが、敢えて反論したいと思います。


基準あいまい「地の利」ある/ボクシング(日刊スポーツ)
http://news.goo.ne.jp/news/nikkan/sports/20060803/p-bt-tpn-060803-0009.html?C=S


「冷静に見れば興毅の勝ちに間違いはない」――渡嘉敷勝男の試合分析(Yahoo!スポーツ)
http://sports.yahoo.co.jp/extra/kamedakoki_2006/b_01.html


大橋秀行氏の分析「想像以上の減量」(日刊スポーツ)

http://news.goo.ne.jp/news/nikkan/sports/20060803/p-bt-tpn-060803-0017.html?C=S


ここのところ「八百長」疑惑の尽きない亀田三兄弟ですが、今回のタイトルマッチ自体はよくやったな、と言うのが私の率直な感想です。

今回の世界戦の結果を、“疑惑の判定”などと一生懸命批判し騒いでる方々は、今まで何を見ていたのでしょうか?タイトル戦以前のオーバーな興行内容や、いかがわしいマッチメイクを批判するなら分かりますが、これは不正が入り込めない世界戦ですよ。それをジャッジの方式や背景、ボクシングのルールや内容も分からずに闇雲に“八百長”だの“疑惑”だの言うのは、お門違いも甚だしいです。マスコミも、風向きが「亀田=八百長」のような批判めいた論調が目立つようになったら、全部が一気にそっちへ流れるって、どうなんでしょう?

冒頭で取り上げたリンク先の執筆者(元世界チャンピオンです)のように冷静に評価すれば、今回の亀田興毅のボクシングの内容は、その背景を考慮すると決して悪い内容ではなく、むしろ今までが「かませ犬」相手ばかりだったこと、自己の適正体重を大幅に下回ったライトフライ級でのチャレンジであることを考えると、「良くやった」と言えるレベルではないかと思います。小学生で初めてボクシングをやったときの階級で、19歳の青年が戦うのですから、その減量の苦労は並大抵のことでは無い筈です。そんな中で世界戦の緊張を克服し、マスコミの批判にさらされ、その上で12ラウンドしっかり自分のボクシングを戦い抜いた亀田興毅を、私は「立派だ」と見直しました。世間がどうこう言おうと、負けない強さを持っているな、と。実はこれこそがボクサーに一番必要な強さだと、私は思うのです。

正直な話、私はここまで(12ラウンド)持つとは思わなかったです。1ラウンドで奪われたダウンから回復し、5ラウンド以降では右のフック、左のストレートがランダエタを確実に捕らえ、度々ロープへ追い込みラッシュをかけるなど、手数でも上回っていたところから、判定になると亀田の勝ちもありかな?という見方をしておりました。ですから、亀田の勝ちと判定が出ても、それほどの驚きはなかったですね。たとえ終盤の11,12ラウンドが押されていたとしても、亀田批判派の人たちが言うほど、亀田自身のダメージはなかったように思います。むしろランダエタのパンチが効いたと言うよりは、減量が足に来ていたように見えましたので。

ランダエタも老獪なボクシングで、亀田の未熟なガードをかいくぐって有効打に見えるパンチを多く打ち込み、さらに減量で苦しんでいない分、弱点のボディブローを受けても何とか持ちこたえるなど「勝った」ように見えるボクシングをしました。しかし、彼も1ラウンドにダウンを奪いながら亀田をノックアウトする技量も、コーナーへ追い込むラッシュをかける勇気もなかったことも事実です。9ラウンド、10ラウンドは亀田の右のダブルのフックやボディブローでダメージを受け、ラッシュにロープへ追い込まれダウン寸前までいっているのですよ!それを判官贔屓ランダエタの肩を持つ日本人の、なんとも偽善者っぽい行動が、私には理解出来ません。

それに、今まで日本人ボクサーが何人もがこの“ホームタウンデシジョン”に泣かされて来たことを考えれば、今回、亀田興毅寄りにも見えるジャッジが出たとしても仕方のないことだと思います。このタイトルマッチを開催したのは日本なのですから。確かに、こういったホームタウンデシジョンが存在してしまうことは問題かも知れません。しかしそれが故意や買収などによってもたらされたものでは無い限り、(その確証が取れない限り)一体何の問題があると言うのでしょう?ジャッジも人の子、声援が多ければダメージが大きいような印象を持つでしょうし、同点の採点が許されない以上は、明確に差が付き難いジャッジになることも仕方ないことだと思います。だから今回のような試合の内容では、ジャッジの採点が割れることも当然だと思うのです。


今回の世界タイトルを奪取したのは、実は亀田ではなく日本でタイトルマッチを実現した人ではないかと思います。ジャッジに不正が入り込んだからでは決してないでしょう。それをダウンを奪われたから勝つのはおかしい、汚い・卑怯だ八百長だなどと罵り批判するのは、いかにも的外れな行動ではないでしょうか?亀田側・協栄ジム側・TBS側のアプローチでジャッジが動いたと言う確たる証拠でもあるのでしょうか?

確かに、この亀田三兄弟のTBSの扱いは、度を越しています。だからって世界戦の価値まで貶める権利は、ボクシングをきちんと理解しないでジャッジを批判している人たちには無い筈です。

私としては、そんなくだらないことよりも、次の亀田興毅の試合に期待したいです。今の批判を跳ね返す本当の強さを持ったボクシングを。それでこそ本物のボクサーです。