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幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

布石。

金融庁、念願達成へ深謀遠慮

上限金利下げで始まる貸金業界再編

日経ビジネスオンラインより

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060915/109957/?P=1

私のつたないブログでも、ずっと反論させていただいておりましたが、ここへ来てやはり、“お役所パワー全開”と言ったところでしょうか?

金融庁にしてみれば、一連の金利引下げ問題は、そうすれば中小の貸金業者が淘汰されることを端から承知した上でやってきたのでしょう。その真意は、貸金業メガバンクぐらいにやらせるべきで、金融庁は中小業者なんて潰れても屁ともおもわないのだろうな、くらいに私も思ってはいました。しかしここへ来て金融庁は、メガバンクへも金利問題以外にも厳しい規制・検査の姿勢を打ち出しており、貸金業を含めた金融の全てを、完全に国家統制下に置くことが、最終目的のようですね。

金融庁は、この記事にも取り上げられているように、“「貸金業制度等に関する懇談会」”主導による消費者保護の名の下に、あからさまな世論誘導とも取れるほどの貸金業者批判を展開してきました。懇談会の議論はしばしば感情的に流れて、あまりにも極端すぎると批判する向きもあるほどですから、議論の内容は債務者寄りで偏ったものであることは想像に難くありませんが、与謝野大臣も出席するなど、金融庁自身がこの懇談会の威厳を保つことに腐心していることが良く伝わってきました。

また、この懇談会で金利引下げに対する反対意見、例えばハイリスク層への融資の受け皿が、中小業者を淘汰することで完全に消滅してしまうことへの問題提起がされ、貸金業者の存在意義への理解が示されそうになると決まって金融庁は別の“布石”を打って来ました。アイフルアコムに対する立ち入り検査がそれです。こんなことは普通の他の業界であれば事前指導と称して内々に検査予告があるのでしょうが、今回は完全に予告なし、しかもいずれの摘発内容も、以前から問題点ではあるが黙認されてきた事項をいきなり摘発したものですので、これまた準備万端、金融庁は手を打って来たなと感心してしまいました。プレスも実に巧妙に利用して、こういう話題を取り上げるのが大好きな朝日新聞などを中心に一般大衆への告知も怠らないなど、役人にしてはよく考えたものです。

更に極めつけは後藤田の辞任です。本気で抗議するなら議員辞職でもすれば良いのに、ミエミエの政務次官辞任で、金利引下げの特例問題から波及した、“金利引下げそのものの見直し”議論を封じ込めてしまいます。

そこまでして国家統制したいのなら、最後まで徹底してやって御覧なさい。我々金貸しのノウハウを、お役人がどこまで肩代わり出来るのかとくと見せて貰いましょう。

勘違いしないで欲しいのは、私はこの金利統制に賛成ではありません。ある程度のルールを守らせる必要はありますが、金利についてはあくまでリスクを自ら負担する価格であるので、法律で制限されるものではありません。あくまで規制、ということであれば昭和58年の出資法改正当時の本則金利、40.004%で充分なはずです。消費者金融だって、立派な産業です。国家に統制されるべき産業では絶対にありません。もし金貸しを国家統制するならば、いっそのこと風俗産業まで国家統制されたほうが、宜しいんじゃないでしょうか?何しろ、世界で最も歴史のある商売は、売春婦と金貸しですからね。消費者金融も、きちんと決められたことを守って利益を出して、お客様や社会に貢献できる事業にすることは出来るんです。感情論で何の根拠も無い金利引下げを強要し消費者金融業者を排除して、真面目に真っ当にやってきた人間を排除したツケは、必ずどこかで回ってきます。

それと、金利を引き下げたあとの問題が残っています。高金利と呼ばれる金利でも、お金を借りなければ生活出来ない国民が存在すること、そしてそういった層に対する政策を、政府・金融庁は何等打っていない事実を、どういうシナリオで乗り切るつもりなのか、逆に聞いてみたいですね。

簡単に国家で融資する方向へ流れそうですが、審査技術も回収能力も無いですから、引き下げた金利では大赤字を垂れ流すことになるでしょう。それをまた我々の血税で賄う気ですか?金融をやっていた人間が言っては元も子も無いですが、“高金利を払う人々”は、それなりに理由があって払っているのですよ。自分の射幸心を抑えきれずに浪費に走るもの、分をわきまえずに高額消費に走るもの・・・そういった人たちまで血税で「救済」なさるおつもりでしょうか?

金融庁のシナリオの最大の欠陥は、そういったところまでは考えていないことでしょうね。これに備えた布石を打っているようには、とても見えないのですが。

金利引下げ後の混乱が目に見えるようです。

 


【参考:出資法】正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」。1954(昭和29)年に制定、施行された法律で、主な内容は、1.銀行など許可を受けた金融機関以外の者が不特定多数から出資金を受け入れることの禁止、2.金銭貸借の処罰対象となる上限金利は年 109.5%(1日当たり0.03%)で、これを超えると3年以上の懲役または30万円以下の罰金、3.貸金業を行おうとする者は「開業後延滞なく届け出ること」、などである。
しかし、この法律で定める上限金利(年 109.5%)が、利率制限法の上限金利(金額によって年15~20%)に比べ高すぎることや、貸金業が「事後届出制」となっていたことから、1983 (昭和58)年に大幅改正が行われた。改正の主な点は、1.貸金業を「開業後届出制」から「事前登録制」に、2.取締対象の上限金利を年 109.5%から、昭和58年11月~昭和61年10月末までは年73.0%、昭和61年11月から年 54.75 %、さらに別途法律で定める日から年40.004%にする、の2点。
その後、1991(平成3)年6月に本則金利(年40.004%)の実施期日が決定され、同年11月1日から年40.004%の上限金利制が施行された。また、商工ローン問題に対する規制強化から、2000年6月に29.200%に引き下げられた。