幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

自分。

仮面ライダークウガのEpisode26“自分”。DVDでいうと7巻目に収録されています。

仮面ライダー クウガ Vol.7

仮面ライダー クウガ Vol.7

  • 出版社/メーカー: 東映
  • 発売日: 2001/06/21
  • メディア: DVD

あらすじは、こちらで。

http://www.toei.co.jp/tv/user/program/browse3.asp?Command=Old&StrNum=26&SID=127

この回のストーリーは、グロンギとの戦いよりも五代雄介の恩師・神崎先生の現在の教え子、霧島拓(ひらく)君にスポットが当たります。

拓君は作文の末尾に「自分の居場所がない」と書いて消しゴムで消しますが、作文用紙に残された文字の跡で、神崎先生は拓君の異変に気づき、東京のおばあちゃんと過ごした場所へ一人で向かった拓君の身を案じ、雄介へ連絡を取ります。

現在の子供たちは、私が子供の頃より、“悩まなく”なっていますね。保育所で保母さんをしている五代の妹・みのりも、「保育園での親御さんたちも、子供に悩ませるよりも悩みを先に取ってしまうほうが、親も楽だからと、そうしてしまっている。でも子供に楽をさせてしまうことが、結局子供の為にならないのでは無いでしょうか」と、語りかけます。拓君自身も、「こんなに悩んでいないで、塾に行って勉強しなきゃならない、ちゃんと頑張っていい学校へ行っていい仕事をすることがいいことだと分かっているのに、将来、自分が本当は何をすれば良いのかが分からない。自分の居場所と思えるところがない」と、一人悩んでしまいます。

そんな拓君に雄介は「大丈夫、もっと悩んで良いんだよ」と語り掛けます。

神崎先生も「最近の子供は素直でとてもいい子が多い。しかし悩むくらいなら楽しくしよう、悩むことなんて価値が無い、などと悩むことに価値を見出さないんだ」という風潮に、疑問を投げかけます。悩めない、悩む機会がない、今の子供たちは不幸だと。

確かにそうかも知れません。悩んだり、困難にぶつかったら、可愛がるだけの親たちはその悩みを親が取り除こうとします。そのほうが親も楽ですし、親として子供を“大切にしている”自己満足が得られるから余計にそうしてしまうのでしょう。しかし実際には、子供には悩むこと、困難にぶつかることは、成長する上では必要なことで、困難を取り除いてあげることは単なる成長の妨げに過ぎないということを、このストーリーは訴えているように、思います。

クウガって、こういった、“戦い以外のストーリー”が中心に展開することが多く、見ている側としては「雄介は、本当にこんな気持ちで戦えるの?」などと心配してしまいます。でも、これがクウガの魅力です。悪の未確認生命体・グロンギを倒すだけではない、子供と一緒に悩み、大切なものを大切に扱おうとする主人公、五代雄介の行動に、私は共感をしてしまっているのかも知れません。ともすれば陳腐で、ワザとらしく鼻についてしまうようなテーマでも、クウガのスタッフは真正面から誠意を持って取り組んでいるように、感じます。惜しむらくは費用の関係で、特撮がちょっとプアなことぐらいでしょうか?

ヒーローである五代雄介=クウガは、自ら望んでクウガになった当初から、相手を圧倒する強い力が備わっている訳ではなく、不完全な形から悩み、苦しみ、みんなの笑顔を守りたいという一心で努力して力をつけることで、強化する未確認生命体たちへ挑んで行きます。それはまるで、「人は、誰かの為なら本当に強くなれるものなんだよ。そしてそういう努力をすることは、とても尊いことなんだよ」と、これを見る子供たちへ語りかけてくれているように思います。

テレ朝さん、クウガ再放送してくれないですかね?