幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

盗作騒動。

“約束の場所”が話題になっていますね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061020-00000021-spn-ent

件の、松本氏は漫画で主人公がしゃべった言葉が似ている、と主張されているそうですが、確かに似ていますけど、著作権を主張するほどの内容か?と思ってしまいました。

“夢”も“時間”も、普遍的過ぎるテーマですから、普通に考えれば、槙原さんが思いついてもおかしくない内容でしょう。所詮、歌詞なんて言葉の遊びですからね。


槙原さんの曲は、どの曲も歌詞が分かりやすい平易な言葉で、かつ感情を込めて上手く作っていますよね。歌詞で、メロディーに乗せて上手く響く言葉って、日本語だと意外と少ないんですよ。私は、下手っぴながらも多少作詞・作曲を行っていた時期がありますので、その辺の感覚はあるつもりです。最初に歌詞を書いて、曲を乗せたけどメロディーと歌詞のなじみが悪いから、言葉を手直しなんて、しょっちゅうですから。こういった“夢”なんて、思いっきりベタな素材を扱った場合は、言葉に制限がかかって当然だと思うのです。夢は時間を・・・、時間は夢を・・・なんて表現、何も松本氏じゃないと思いつかないほどの代物ではないです。表現を真剣に考え、メロディーと歌詞とを組み合わせていけば、自然に出てきてしまうものではないですか?


それよりも私は、この曲のタイトルのほうがいつも頭に来るんです。
「約束の~」って言う曲は、この曲に限らず日本では浜田省吾の“PROMISED LAND~約束の地”

Promised Land~約束の地

Promised Land~約束の地

  • アーティスト: 浜田省吾
  • 出版社/メーカー: SE
  • 発売日: 1999/09/29
  • メディア: CD

というアルバムが、大きな影響力を持っていますね。実際、このアルバムを聴いてイメージして作ったんじゃないかと思える曲が、結構最近でも氾濫していますけど、この“約束の場所”を聴いた時も、私は「また出たよ、真似っこが」と思ったんですね。でも、私は浜田省吾の真似をしたからって、怒った訳ではありません。その元になってる浜田省吾のアルバム自身が、私は盗作に近い代物だと思っているからです。

大元は、これとしか思えないんですよ。
闇に吠える街

闇に吠える街

BRUCE SPRINGSTEENのDarkness on the Edge of Town(邦題:闇に吠える街)です。
このアルバムは1978年の発表、浜田省吾のアルバムが1982年の発表ですから、聞き込んで影響を受けて書いた曲が、アルバムに詰め込まれちゃった・・・って言うのが真相でしょうけど。BRUCEのこのアルバムあたりから、1980年発表のTHE RIVERにかけてぐらいのテーマに、浜田省吾のアルバムのテーマはそっくりです。聞き比べていただくと良く分かりますよ。私は浜田省吾は何だかうそ臭くって聴けないんです。「本当にお前の言葉で歌ってるのかよ?」と思ってしまいますから。

同じように、BRUCE SPRINGSTEENに影響を受けてるのが佐野元春。こっちも聴いてると良く似ています。この人たちは盗作しようと思ったって言うより、単にファンなんでしょう。もし、「俺のファンは洋楽なんて聴かないから、パクッても分からないだろう」なんて思って作ったとしたら、目茶目茶罪深いですけどね。それは、音楽とファンに対する冒涜ですから。

日本のポピュラー音楽シーンは、洋楽のコピーと切っても切れない関係にありました。黎明時期なんてそんなものでしょう。エレキギターとベースにキーボード・ドラムという構成じゃ、どうしたって洋楽がお手本になっちゃいますから。意識するしないに関わらず、いつも自分で聴いている音楽であれば尚のこと、頭の中に刷り込まれてますから、完全に昇華して自分の作風を確立している人以外は、盗作っぽくなっても仕方が無いでしょう。


そういうことには理解しますが、私はこの“PROMISED LAND~約束の地”というアルバムが、名作だと言われていることが、とても腹立たしいです。これ、盗作とは言わないまでも、断じて“オリジナル”ではないですよ。そんなものをありがたがって聴く必要がどこにあるんでしょう。もっと邦楽でも、素晴らしい作品は他にもあります。黎明時期の、真似っこ作品以外で、オリジナリティのある作風をもったソングライターは、日本にも沢山います。そういったものを評価して欲しい、と思ってしまうんですね。

まあ、ミュージシャン崩れの戯言と思って、聞き流して下さい。