幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

液晶かプラズマか。

これから年末に向けて、地上デジタル放送への切り替えも兼ねて、薄型テレビの購入を考えておられる方もいらっしゃると思います。

そこで一応、“家電エンジニア資格”を取得した人間として、地デジ対応などこれからのテレビをどう選ぶか、私なりのポイントをお話したいと思います。

 

液晶のメリット

液晶テレビの一番のメリットは、“価格が安い”ことです。画面サイズごとのコストパフォーマンスは、液晶は現時点でナンバーワンです。液晶に各メーカーが経営資源を集中したのはそれなりに理由があるのでしょうが、一番の理由はパネルの価格が一気に下がったことだと思います。元々パソコンのディスプレーなどの操作表示画面でのニーズが多く、パネルメーカーも需要が見込めたものですから、開発への投資が他の方式と比べると盛んで、それがコストダウンへと繋がっていったように思います。とりあえず地デジが見られて、そんなにスポーツは見ないってことなら、液晶は無難な選択ですね。

でもいくら安いと言っても、量販店系の安価な液晶テレビがたくさん市場に出回っていますが、これらを買うのは“NO”です。型落ちの液晶パネルを生産する工場が中国に山ほどありますが、適当な工場から、そういった時代遅れのパーツをかき集めて組み合わせて作っちゃったのが、量販店系のオリジナル液晶テレビです。

液晶テレビなんて中身はユニット化されてますから、比較的簡単に商品化出来ちゃうんですよ。ただ、サポートとなると話は別です。パソコン修理屋のうちの会社にサポート依頼が来るくらいですから、新参メーカーのサポート体制なんて、たかが知れてます。

はっきり言って、値段の安さにつられてはいけません。最低でも5年間程度は使う商品なので、修理サポートに不安のあるこれらの新参商品は買うべきでない、と言えます。もう買っちゃったよ、と言う方は、多分2年以内には半分以上が壊れますから、その当たりでNB製品への乗換えをお勧めします。まだ購入されていないのであれば、数万程度の価格差なら、迷わずNB商品をお勧めしますよ。

 

液晶かプラズマか。

一見究極の選択のように思えますが、正直なところ両者一長一短があり、どちらも完成品の商品ではありません。従って、何を見るか、どのように使うのかで決めるしかありません。

私みたいに野球見る人は液晶はNGです。最近のパネルは比較的高速化していて応答速度8ミリ/秒程度のものも登場していますが、それでも残像は避けられません。どんなに高性能の液晶でも、野球のボールは糸引いて見えますから、スポーツ見る方は、絶対にプラズマをお勧めします。

あとは液晶の弱点、階調が無いことも画像が薄っぺらくなってしまうんですね。構造上やむを得ないです、これは。液晶自身は光を出しませんので、裏から蛍光灯の光(バックライトと言います)を当ててやって、画面の明るさを出していますが、これでは画面そのものが光っている訳では無いですからそもそも明暗を表現しづらい仕組みなんですね。

バラエティとかニュース中心ならば、液晶でも問題ないと思いますが映画を良く見る人や、スポーツ観戦がメインになる方は、液晶は避けたほうが無難です。プラズマの場合は画面自体が発光しますので、(発光そのものは弱くてバックライトは必要ですが)表現力の点では液晶に大きく差をつけています。映画など大画面の鑑賞にはプラズマが向いている、というのはこのファクターが一番大きいですね。

今、すぐに買わなければならないとしたら、消去法ですが私は迷わずプラズマを買いますね。但し条件があります。サイズは最低でも42V以上にしないと、画素数が不足し充分な性能が得られないので注意が必要です。

それと、液晶でもプラズマでも、今購入なさる場合は、販売店の延長保証を必ず付けることをお勧めします。他の家電品に比べてメーカー保証終了後の故障率が高いので、購入時に3%から5%の負担であれば、絶対にお得です。

 

省エネ性で比べると

これは某メーカーが、“液晶はエコ”みたいに宣伝していますけど、真っ赤な嘘です。液晶だって画面が大型化すればブラウン管テレビより消費電力は増えます。

代表的なところで、消費電力を公平に同じサイズで比べて見ました。ハイビジョン対応かどうか、音声出力はどうかとか、画面の種類に関係の無いところで左右される部分がありますし、画面サイズが大きくなればブラウン管より消費電力が大きくなることもあります。あくまで“エコ”なんていうのは、同じサイズで言えば多少消費電力が少ない機種もありますよ、程度の事だと思ってください(笑)

液晶テレビ シャープ LC-37GX1W 消費電力228W

プラズマテレビ パナソニック TH-37PX600 消費電力285W

ブラウン管テレビ ソニー KD-32SR 消費電力185W

 ブラウン管テレビはサイズがちょっと比較対照としては小さいですが、参考までに。どれも取り扱い説明書記載の数値なので、メーカーごとに測り方が違います。ですから、実際に家庭に持ち込むとこの程度の差では、液晶が“エコ”だなんてとても言えないレベルです。

 

それでは、結局何が一番お勧め?

私は、まだ実用化されていませんが、薄型テレビの本命は、FED方式になると予想しています。

なんと、FED方式のパネルの開発は千葉のメーカーが最先端の技術を持っています。

http://www.futaba.co.jp/business/fed/index.html

この方式は、液晶やプラズマと違い自己発光の光量だけで充分表示が可能なことから、画面の表示も自然で、応答速度も液晶とは比較にならないほどの高性能です。

パネル自体も液晶やプラズマに比べて長寿命なので、どちらかと言うと“不完全商品”の液晶テレビプラズマテレビと比較すると、ブラウン管テレビに近い完成度を誇ります。商品化が待ち遠しいですね。出来れば2011年ギリギリまで待って、FEDテレビへ切り替えたいと考えているのですけど、それまでに価格は下がるでしょうか?

来年秋には商品化されるようですが、価格は安くても60万前後のようです。うちで購入できるような10万円台まで落ち着くのはいつなんでしょう。