マリーンズのファンの方なら、お名前を聞いたことはあると思いますが、小林至さんが“ニッポン プロ野球 活性化の処方箋”と言うタイトルで、nikkei BPnetでの連載をはじめています。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/topics/puroyakyu/061208_2nd/
連載はまだ始まったばかりですが、これから日本のプロ野球を、いかにビジネスとして成立させていくか、と言う観点で、小林さんの提言が行われていくものと思います。今後の連載が楽しみです。
第2回の今回は“無料のテレビ放送に頼るモデルは立ちゆかない”と言うタイトルで、英国プレミアリーグを例えに、日本独自の課金放送モデルの構築が必要、との提案をされています。
日本では「野球中継」といえば完全無料の地上波放送、しかも巨人戦という偏ったコンテンツが代名詞でした。巨人戦で20%の視聴率を稼いでいたことも今は昔、去年の巨人戦視聴率が10%を大きく割り込んだことが「プロ野球人気の低下」などと言われていますが、果たしてそうでしょうか?
去年は我が千葉ロッテマリーンズ、今年は引き続きパリーグの北海道日本ハムファイターズが日本一、とそれぞれ日本一となった球団の地元では、今までの讀賣-巨人が中心となったプロ野球とはまったく異なったファン層が、これら球団を支えています。
マリーンズにしてもファイターズにしても、全国ネットで地上波中継に乗ることはまれで、ファイターズは地元北海道の地上波局、マリーンズもチバテレビで多少の中継がある程度ですね。でも、この両チームとも、インターネットでの中継を今年から本格化させています。
小林さんも2回目となる連載のなかで、“日本独自の課金ビジネスモデルの構築が必要”とされていますが、私もそう思います。それもキーワードは“野球にお金を払ってる感覚なく見られる”と言うことだと思います。アメリカのケーブルテレビでは、スタンダードパックなる、「標準パッケージ」に、ヤンキースなどの特定チームの試合が見られるパックがセットされており、視聴者の方は“野球に特別出費”している感覚がないまま、自由に試合中継を見ることが出来るそうです。
日本では、毎日ブログで試合結果をエントリーするようなコアなファンか、地方で中々野球の試合が見られない方ぐらいしか、こういったケーブルやスカパーの野球パックを契約して見たりは、しないでしょう。
私だってさすがに、スカパーを契約してまでプロ野球を見る、という投資は難しいです。見る時間が物理的に取れないということもありますが、家計支出的に考えても、それに定額の支出をすることは難しいご家庭が殆どでは無いでしょうか?
2011年に地上波アナログ放送が終わり、デジタル放送へ移行しますが、これは何も周波数の効率的な利用云々よりも、某国営放送局的にデジタルのほうが課金管理が容易と言うことが、目的にあるような気がしてなりません。
この地上デジタル放送への移行を見越して、現存するテレビ局へ野球コンテンツを含めた放送有料化の提案は困難かも知れませんが、インターネット中継やケーブルテレビでの新しいパッケージの提案は、今の仕組みでも充分可能ではないでしょうか?現在のプロ野球の球団経営者の方々には、是非「野球中継は地上波の放映権料だけ」なんて固定観念は捨てていただいて、柔軟な発想で新しいビジネスモデルを考えて欲しいものです。