幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

親子の絆。

日経ビジネスオンラインで連載中の、宋文洲さんの記事「傍目八目」、今回は8歳の女の子の悲しい運命を例に、中国の半端じゃない格差社会の側面を、紹介しています。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070122/117394/

いやこれ、日経ビジネスオンラインの記事なので、会社で読んじゃいましたが途中で「しまった!」と思いました。涙腺の激弱な私が、人前で読んではいけない話です。涙こらえるのに必死でした。

以前の職場の同僚の娘さんが、やはり同じような病気で、たった7歳で亡くなってしまいました。その女の子も、自分が一番辛いはずなのに、周囲への気配りを絶やさない子でした。この宋さんが紹介した中国の少女も、自分を拾って育ててくれたお父さん、寄付をしてくれた多くの人々に感謝こそすれ、愚痴ひとつもこぼさずに治療の痛みに耐えていたそうです。このお話を読んで、そのことを真っ先に思い出しました。

人は、辛い境遇になればなるほど、他の人に優しくなれると言います。自分の家族を殺めたり、他人の生活を羨んだりすることは、本当はその人が辛いのではないのでしょう。そういう浅ましい心が顔を出すような余裕があると言うことではないかと、思うのです。

このお父さんが、女の子を拾う前の心の葛藤も、良く分かります。貧しくて結婚すら出来ないのに、子供を拾って育てることなど出来る訳が無いのに、それでも自分の分の生活を削ってまで、この女の子の命を、一時は救ったのです。

美しい心には、美しい心が応えてくれるのだな、そう感じたお話でした。

ご興味のおありの方は、こちらもどうぞ。

http://bsou.seesaa.net/article/31943569.html

残念なのは、日経ビジネスオンラインの、この記事に寄せられたコメントで、少なからず、宋さんの記事の後段を“日本批判”と受け取っている方がいらっしゃることです。私には、どうしてそういう方向へ考えを持って行けるのか、理解に苦しみます。表現の稚拙な部分はあるにせよ、宋さんがこの記事で言わんとしていることは、そんなことではないでしょう。

この少女のことを例えに、お金が無くても心の豊かになる関係が実現出来る、お金のあるなしは幸せに繋がるものではない、と言いたかったのでしょう。それを、中国人である宋さんが、たまたま中国の美談を取り上げて日本の現状を憂いただけで、“日本批判”と受け取ってしまう心も、実はこの少女の心の対極にあるのではないかと、思うのです。