せっかくの熱戦に、水を差すニュースです。
http://sports.yahoo.co.jp/baseball/hs/news/20070823-00000047-nks-base/
広陵高校の監督が、8回の押し出しフォアボールのジャッジに、クレームをつけたそうです。
確かに、ビデオで見てもきわどいボールではあります。でも、当然ではありますが、高校野球では審判は絶対です。それを基本にやっているのに、生徒はそれで納得しようとしているのに、先生である監督がこれでは、生徒の気持ちの整理がつかなくなるではないですか。
また、この日の主審の桂さんは、高校野球の審判としてはスコアボードでもおなじみの名前です。その桂さんが微妙な判定を、一番近い位置で“ボール”と判定したのですから、ボールだと思うのが自然ではないですか?
問題の1球をキャプチャしてみました。実際にはこの写真よりもミット半分くらい下で捕球しており、そこからキャッチャーがミットを上へスライドさせていたので、「ストライク」ではないかと誤解された方も多いと思います。
ボール・ストライクの判定は、高低・コースなど総合的に判断します。ホームプレートに一番近い位置では、同じピッチャーでの同じコースのボールでも、回を追うごとに球速が衰えてくるので、特に判定に迷うほどの微妙なコースでは、前の回の球威と違うだけで判定が変わってくることも否定出来ません。それは人間の目がそう出来ている以上、やむを得ないことだと思います。
このゲームは同じ主審で同じ条件で行っている訳ですから、こと“その1球”だけ取り上げて問題視するこの監督の姿勢に、私は大いに問題ありと言いたいです。
この監督自身「ウチでは審判の判定にどうこう言う教育はしていない」とおっしゃられている訳ですから、ここも熱戦に水を差すようなことは言わずに、黙って「力不足だった」と生徒に説明するのが筋ではないですか?
この判定で、「ボール」と判定されたのは、単純にボールが低めに外れていたと言うこともありますが、やはり球威が衰えていたことが大きいでしょう。それに、このボールがたとえ「ストライク」と判定されていても、フルカウントになったあとやはり押し出しになるかも知れませんし、その後に副島君にホームランを打たれる流れも変わらなかったと、私は見ています。
中井監督も、ここはこのクレームを潔く撤回して、「全力で戦った広陵ナイン」を祝福してあげるべきではないですか?何しろ、甲子園全体が佐賀北の応援になってしまった中で、8回表までは有利にゲームを運んでいた訳ですから。
しかし、この件でまたマスコミが火を点けようとしているようで、嫌ですね。
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/sports/hi_school_baseball3/story/20070823jcast2007210597/
第一、中井監督がいったいどのくらいの気持ちでこの判定に不服をいったのか、本当のことはご本人に聞いてみないと分からないですから。