幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

復活。

日経ビジネス 2月11日号の“ひと劇場”に、ミサワインターナショナル社長、三澤千代治さんが取り上げられていました。

三澤さんは、ミサワホームの創業者ですが現在は経営から離れ、70歳を前にしての新たな挑戦を始めておられます。

ミサワホームの経営権を巡っては、現在はトヨタ自動車が実権を握っておりますが、その経緯については相当際どいものがあります。ここでは特に触れませんが、ご興味のある方は下記のリンクをご覧下さい。

http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/cat2093064/index.html

情報紙「ストレイ・ドッグ」(山岡俊介取材メモ)

このような経緯があって、自らが創業し住宅業界ナンバーワンとなったミサワホームを手放してもなお、三澤さんを住宅へとかきたてる情熱は、どこから湧いて来るのでしょう。

三澤さんは、ミサワホームで自ら考案した「木質パネル工法」と決別し、“200年住宅”をコンセプトにした、新しい住宅作りを行う会社を立ち上げています。

http://www.m-int.jp/(ミサワインターナショナル)

http://www.m-int.jp/habita/(200年住宅“HABITA”)

日本の住宅産業は、大手のプレハブメーカーと地元の中堅住宅販売会社、そして工務店が綺麗なバランスで市場を分け合っています。しかし、市場を牽引するのはテレビなどで広告を派手に打っている大手のプレハブメーカーで、その「都合」で耐久年数の短い粗製濫造状態の注文建築が、溢れています。

これらのプレハブメーカーの建てる家の平均耐用年数は30数年と言われています。「家は一生の買い物」などと言いつつも、実は最低でも3回は建て替えをしなければ住めない住宅に、日本人は高い住宅ローンを払いながら住んでいることになります。

その理由は、勿論メーカーの都合でコスト優先・耐久性を度外視した部材の使用が一番なのでしょうが、一方でやたらと高気密にしてしまうことも、日本の気候風土を考えると、住宅の耐用年数を落としていると言えるでしょう。

この“200年住宅”HABITAは、日本の古来の住宅の良さに倣って、その長所を現代で追求することで「200年住める家」を実現しようとしています。

ホームページを見る限りの情報しか私も持ち合わせて居ませんが、私の実家も築150年になろうという古い建物ですが、その構造体は今でもしっかりしたものです。昨年の能登半島地震震度6にも立派に耐えていますから。重い重いと言われる瓦を沢山乗せた、日本古来の建築方法であるにもかかわらず・・・です。

このHABITAのコンセプトも、国産木材を使用し、広い断面の木材を構造体に使用して、とことんまで軸組工法の基本を貫き通しているものです。ちょっと違うのは、何が何でもムク材に拘るのではなく、強度に優れ品質のばらつきのない集成材を使って居ることでしょうか。

ホームページを見ていても、構造体は柱と梁と筋交いとが太くしっかりと出来ていて、何か懐かしさを感じます。プレハブ住宅のように壁面で強度を稼いでいませんから、開口の取り方も自由になるでしょうし、間取り(プラン)の自由度も高いでしょう。

実は、私の多種多様な職歴のスタートは、ミサワホームのホームエンジニア(ミサワホームでは営業をこう呼んでいます)でした。あいにく事故で体調を崩して退職を余儀なくされましたが、それだけに他の住宅メーカーには無い愛着を感じております。この日経ビジネスの記事も、冊子の一番後ろなので、あまり重要度の高いものではないでしょうけど、私は真っ先に読んでしまいました。

そんな贔屓目を抜きにしても、日本の住宅・建築の良さ、文化の香りがしてくるようなこの“HABITA”、私も、今後もし住宅を建てる機会があれば、是非これで建ててみたい・・・そう思いました。

日本には、日本の美しさがあると思いますから。