幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

祈り。

まったく、ブログをアップする気力も無かったのですが、この男性の心情を思うと、自分の境遇を云々言っていられないと思いました。

安心して産める社会に=「誰も責める気ない」-死亡妊婦の夫が会見


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081027-00000195-jij-soci

最愛の家族である妻を失い、生まれたての子供と二人残された現実。
生まれてきた赤ちゃんが、母の温もりを味わうことなく生きていかなければならない悲しさ。

石原都知事と舛添厚労大臣とでくだらない鞘当ばかり繰り返しているバカバカしさに、この男性の魂の声とも思えるコメントで、心が救われました。

現実に、自分が同じ立場になったら・・・。
私も息子が生まれる前に、そういう悪夢を見たりしてうなされることもありました。
生まれてくる子供を待つ幸せと同時に、「何か起こったらどうしよう」「子供が五体満足で生まれるだろうか」・・・心配性な私は、要らぬ不安ばかり頭をよぎるので、息子が母子共に無事で産声を上げたときは、本当にほっとしました。

この男性と同じ境遇になったときに、同じ言葉を、私は口にすることが出来るだろうか。。。
そんなことを考えてしまいました。
普通に考えれば、奥様が亡くなった一番の原因はたらい回しされたことだというのに、それでも現場の医師を、看護師をかばい感謝の言葉すら口にしています。

それに、おそらくマスコミに攻撃されてばかりいるであろう担当の医師や看護士が、奥様の最後に赤ちゃんを抱かせてくれる配慮までしてくれたという、裏話をするという行為。

マスコミに責められる現場の方の苦労を見て、見るに見かねたのでしょう。
こういう場で話さない限り、絶対にマスコミは取り上げないでしょう。医療の現場が、どれだけ献身的な努力で成り立っているかを。
本来であれば悲しみをぶつける先がこの医師や看護師に向けられてもおかしくはありません。しかしそれでも墨東病院の医師も看護師も本当に良くしてくれた。彼らが傷つかないようにしてほしい」と話すことの出来る思いやり。

きっと亡くなられた奥様も、この男性を「ご主人」として、誇らしく思っていることでしょう。

ただ、忘れてはならないのは、この男性の言うとおり、「この死を無駄にしない」努力です。

医療過誤の増加が叫ばれ、医師の卵が産科を避ける現状。産科だけでなく薬の点数が多くない小児科も医師の不足を招いています。医師は社会的にはステータスの高い仕事と思われていますが、産科や小児科など“成り手”の居ない診療科では、その現場はお金よりも“仁術”で成り立っているのです。

医療制度改革インターンが地方に行かなくなったり、大学病院の医局が機能しなくなったことで医師の慢性的な不足を招いていることははっきりしています。
医薬分業も、病院へ直接落ちるお金が減少して、病院経営を圧迫することにもつながっているような気もします。
お題目だけではない、安心できる医療制度を、役人や政治家は真剣に考えて欲しいと思います。

舛添大臣も石原都知事に噛み付くだけでなく、「本当に必要なこと」に一刻も早く取り組んでいただきたいものです。
この命を無駄にしない為にも。
そして生まれてくる新しい命の為にも。