幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

年寄りはカネを使え。

おカネあるのに使わない高齢者 それが若者の低賃金を生む J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/2009/02/07035270.html


最近の不景気は、“若者がお金を使わない”などと安直に考える向きも多いようですが、本当に若者が使わないのでしょうか?確かに、クルマも買いませんし、旅行にも行かない若者が増えて居ると言います。
とは言え、若者は、使いたくても金がないのです。

私は昨今声高に“大企業の責任”などと批判されている派遣という労働形態を否定する気はさらさらないのですが、(むしろ企業がグローバルで戦う必要がある中で、雇用の弾力化はコスト低減のためには必須のことであると、考えます)新卒で誰でも“正社員”から社会人生活をスタートできた時代と比較すると、今の消費の中核を担うべき若年層の所得水準は、やはり低いと私も思います。

これら所得が減少している若年層を尻目に、これから大量に定年退職を迎える団塊の世代を中心とした、所謂“高齢者”のセグメントに属する人々は、未曾有の貯蓄額を誇っているようです。


上記でご紹介したJ-Castの記事でも紹介されていましたが、第一生命経済研究所の2004年度の貯蓄額調査では、個人金融資産1,400兆円のうち、団塊の世代を含める中高年の資産は、なんと全体の8割にも達するそうです。


参考:年齢階層別の金融資産保有割合をグラフ化してみる Garbagenews.com
(個人のサイトですが、とても面白い切り口でデータをもとに色々な情報を提供してくれます)
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2009/01/post_4462.html

第一生命経済研究所でも、面白いデータを公開していますね。


第一生命経済研究所団塊マネーの追跡、高齢者貯蓄の行方」(PDF)

http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/kuma/pdf/k_0507b.pdf

しかし、個人の金融資産全体の80%を“貯め込む”だけの高齢者層が保有している実態に、なにやら薄ら寒い気分になってしまうのは、私だけでしょうか?

年金もちゃんともらえるというのに、住宅ローンも返済終わっている人が貯め込んだら、そりゃあ不景気になりますよ。

今の20代・30代の人達は、お金が本当にない人が多いことは確かでしょう。その分、親離れせずに済んでいるから生きてゆけるだけで、この世代が全員独立したら、それこそ生活難民が溢れてしまうかも知れません。団塊の世代から上の、「世代の勝ち組」とでも形容されるべき世代から見れば、この若年層は不幸なのかも知れません。

そういう観点で見ると、私の世代はそれに輪をかけて不幸です。
新卒の時代も未曾有の就職難で、大卒の半数近くがまともに就職出来なかった世代です。現実に派遣切りでメディアが取り上げる人は40代が殆どでしょう?彼らは私と同じように、新卒で就職という当たり前のことが出来なかった人たちがほとんどでしょう。私も新卒で就職出来ず、派遣から始めて今の仕事ですから、他人事ではないのですよ。

そういう立場から見ると、この「高齢者」達の貯め込みは、ちょっと面白くないですね。将来に不安を感じるのは分かりますが、必要以上に貯め込むこともないでしょう。

まあ、年齢と共に使う当てがない・・・というのも、あるでしょうけれど・・・。

社会全体が、景気が好転し明るい話題が提供出来るように変わるには、この貯蓄に走る現状の打破がまず必要でしょう。そして、若年層に労働の機会を与えるように、社会構造を変更する必要があるでしょう。今の世の中は、どうも団塊の世代に都合が良いように動いてるように見えて、ならないのです。

派遣切りで企業が批判を受けていますが、それよりも何よりも、定年制度をもっと厳格に運用し、特に次世代に引き継ぐような技量のない方の60歳以上の継続雇用は、原則禁止にするなど抜本的な改革が必要ではないでしょうか?
無論、それには年金の財源確保も必要でしょう。現在の年金の支給額を抑えるために定年を延長させて受け取る人を減らそう・・・などという短絡的でその場しのぎ的な発想ではなく、年金を支払う層の収入を厚くして財源を増やす方向へ転換することを、真剣に考える時期ではないかと、私は思うのです。

団塊の世代の方から見ると、とても不快な意見でしょうが、私の率直な感想です。

年寄りこそ、カネを使ってください!あなた方の子供や、孫の世代のためにも。


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