幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

NON FICTION。

まだ、このアルバムを取り上げていなかったのが、とても意外です。そのくらいこのアルバムは聴き込みました。

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白浜久の“NON FICTION”です。


白浜久 ~ Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E6%B5%9C%E4%B9%85

公式ページでの自己紹介
http://pandars.net/hist.html

白浜さんをご存知の方であれば、The ModsやA.R.B.での活動経歴をイメージされるのが殆どではないでしょうか?今回ご紹介のアルバムは、白浜さんが大卒後2年間「法務教官」として小田原の少年院で勤務された時の体験を元にした曲で構成されています。国家公務員として、非行少年の更生活動に従事した経験から描かれた作品が、このNON FICTIONなのです。

冒頭の写真は、私が1985年に購入したLPレコードです。
公式ページで現在紹介されている「NON Fics.」とは若干曲の構成が異なります。
このアルバム発売当初は「国家公務員も勤めたインテリミュージシャンが、実体験から書き起こした時代をえぐるメッセージ」・・・云々の紹介がされていたように、記憶しております。私も初めは興味半分でレコードを買ったのですけれどね。

興味本位で買ってしまいましたが、歌詞のリアリティには針を落とした瞬間から圧倒されてしまった記憶があります。惜しむらくはボーカルが若干線が細いことでしょうか。ここまでの内容を所謂放送コードに引っかかること無しにきっちり表現しきった作詞力に脱帽すると同時に、法務教官時代の経験は想像以上に厳しいものだったのだろうな、などと考えさせられた作品です。

You Tubeでも、この曲が紹介されていました。

6月の雨 / 白浜久 ~ You Tube


梅雨時に降りしきる雨の鬱陶しさと、妊娠~中絶という問題を抱えた少女の悩みをダブらせて描いた曲です。

これだけ聞くと、「なんだ、偉そうなこと言って、どうすれば良いかは何も提示していないではないか」という向きもあるかも知れません。
それでも現在、公式ページで紹介されている「Non Fic.」でカットされている、「全てを失う前に」という曲が、法務教官の経験を通じてもっとも白浜さんが訴えたかったことではないかと、思うのです。

少年院という特別な環境ではありますけど、そこに入るまで落ちてゆくことは、誘惑に負けてしまえば簡単なことです。
親とのコミュニケーションを取れていない子ほど、性体験の経験年齢が下がるとも言われています。でも、全ては親の責任でしょうか?このままではまずいと考える気持ちが少しでもあって、そこから逃れたいという勇気を持つことが必要だと、訴えかけてくれるアルバムです。

悪いことに浸ってしまうのは、心が弱いからです。弱い心は粋がっても弱さを消すことは出来ません。一番の治療薬は、親の愛情でしょう。認められ、受け入れられている子供には、少年院という環境は無縁でしょうから・・・。