幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

柔良く剛を制する。

今年の世界柔道で、女子は金3つとまずまずの成績でしたが、男子は金ゼロの惨憺たる成績でした。

世界柔道選手権2009 結果 ~フジテレビ

http://www.fujitv.co.jp/sports/judo2009/result.html

この原因とも思われる「タックル柔道」に、待ったがかかりました。

柔道:タックル禁止令…国際連盟導入 日本に追い風か~毎日.jp
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20091009k0000e050009000c.html

この記事の冒頭でも触れていすが、柔道の柔道たる所以は、「バランスを崩して大柄な人間を小柄の人間が投げ飛ばす」ことにあります。ところが今年の世界柔道(男子)を見ていても、各級で金メダルを取っているのは投げを基本とした勝ち方の選手ではなく、タックルや足を取ることで相手を倒す、まったく柔道とはかけ離れた方法で、形式だけ試合を勝った選手ばかりです。

今回の導入は、IJF(世界柔道連盟)理事に日本人が一人も居ない状況(議決権の無い理事は1名います)で、マリアス・ビゼール会長の肝いりで行われたものです。

マリアス・ビゼール会長が求める柔道は「見ていて、面白い柔道」。ポイントを稼ぐだけのタックル戦法よりも、綺麗な「一本」で決まる柔道のほうが、見ていて面白いと考えているのでしょう。

日本男子の柔道の不調は、一本にこだわるあまり相手に懐を許し、その状態で振り回されたり奥襟を掴まれて投げ技を封じられたりの、「邪道」に負けている部分が殆どだと、私は考えていました。

実は私自身、柔道の経験がありまして、私も「一本」にこだわるタイプでしたが何回か足へのタックルで負けたことがあります。自分の投げ技への流れにこだわると、足を取ることばかり考える人間には隙だらけになってしまうのです。(まあ、弱いと言われればそれまでですが・・・)投げの基本は相手の体重移動をコントロールすることですから、左の引き手と相手の左前襟をつかむ右手にあります。そこばかりに注意が行くとどうしても足を取られ易くなってしまうのです。

この「タックル禁止」は現状では世界ジュニア選手権での試験導入とのことですが、反対するIJF理事も居ないことからほぼ決まりのようです。マリアス・ビゼール会長の求める柔道と、日本の本来の柔道が奇しくも一致したことで生まれた「タックル禁止」ルールですが、これを機に、「JUDO」と「柔道」の距離が無くなることを、期待したいです。