幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

後味。

テレビというより、山手線の車内の案内画面でよく見かける広告で、見た後で私がとても嫌な気持ちになるコマーシャルがあります。
最初に見たときは、「この広告考えた奴の神経を疑う」と、本当に腹が立ちました。

http://contac.jp/funzone/cm/samurai.html

グラクソ・スミスクラインという会社の風邪薬「コンタック」のコマーシャルです。

グラクソ・スミスクライン ホームページ
http://glaxosmithkline.co.jp/

設定はどう見ても武士同士の果し合い、お互いに風邪を引いているが、コンタックを飲んでいないほうが効き目が短いから、先にくしゃみをしてその隙に切りつけられる・・・という設定で、薬の効き目の長いことを訴えたいのでしょうが。

"武士道”の何たるかを理解していません。

武士道 ~ Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E5%A3%AB%E9%81%93

くしゃみであろうがなんであろうが、お互いに何でも良いから勝てば良い・・・そういう発想が、このコマーシャルの根底にあるとすれば、何だか同じ日本人としてとても恥ずかしい気持ちになります。

私は"武士道”と取り上げましたが、この武士道に明確な規定がある訳ではなく、日本の武士達の持っていた規範性を指して言うものというのが、大多数の方のイメージでしょう。

外国から見た日本人のイメージというと、一様に不思議がられるのが「立脚した宗教がない」ということでしょうか?
とは言っても日本人に信仰心がない訳ではなく、キリスト教イスラム教ヒンズー教のように主とあがめる「神」がひとつではないだけで、実は八百万の神と言うくらい、人間に関わるすべてのものに神が宿るというものが、日本人の神道思想の根幹です。言い換えれば、人間を生かす存在すべてを神として崇め畏れるのが古来の日本人の姿と言えるでしょう。

外国の人は、その人間性の規範性(いわゆる道徳心)を計る物差しとして宗教への帰依の度合いを見るようですが、この点で言うと日本人はまったく信仰心のない、道徳心の薄い民族のように思われてしまいます。
それを打破するためにキリスト者であった新渡戸稲造が外国人の理解を深めるために執筆したのが、「武士道」であると言われております。

ネットで探してみましたら、昭和薬科大学の空手道部ホームページに、その解説がありました。

昭和薬科大学 空手道部ホームページ
http://www.asahi-net.or.jp/~du1t-mrkw/

「武士道」より 新渡戸稲造、奈良本辰也 著 抜粋
http://www.asahi-net.or.jp/~du1t-mrkw/busi/busi.htm

この「武士道」という観点からではもちろん、くしゃみの隙に切りつける・・・なんてことは卑怯でやってはならないことだと思いますが、仮に命をかけた場面でも、このように身体の不具合で生じた隙に相手を殺して、本当に気持ちが良いでしょうか?

私がこの立場なら相手のくしゃみの収まるの待って、仕切りなおすと思います。

皆さんは、どう思われますか?