幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

被写体。

久しぶりの本ネタですね(笑)でも、これは最近読んだ本ではありません。
たまたま、日経ビジネスオンラインの“超ビジネス書レビュー”で紹介されていましたので。


『被写体』は、あのひとの夫 ~「上から言われて」やってくる「敵」。不条理な闘いの結末は?

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100104/211990/?P=1

ただ、このレビューだけでもこの本を読み終わった後の、渇いた喉にキリッと冷えたミネラルウォーターが染み入っていくような爽快さを思い出してしまいました。


背景は、昨年末にとうとう買い換えた新しいパソコンです(笑)

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この本を読む前は私自身、「世紀のカップル」と称された三浦夫妻について、私はそれほど他の芸能人と取り立てて変わった印象はなく、どちらかというと「どうせ芸能人だから裏表もあって当然だろう・・・」程度のネガティブな感情しか持ち合わせて居りませんでした。

ところが、三浦さんの当時置かれていた「家族で被写体」になっている側の人間の、生の声がここまでストレートで真摯で、家族を守るという一家の大黒柱では誰でもそうするであろう行動を毅然と取りながらも、写真を無闇やたらに撮りまくる相手方の立場への理解と敬意も失っていない姿勢に、とても感銘を受けてしまいました。

そこには、芸能人・著名人としての三浦さんではなく、1個人として正々堂々と生きている姿が感じられたからです。

この「被写体」は、三浦さんの習慣ともいえる日記のような走り書きを元に、書籍化するにあたって三浦さん自身が原文を改めて修正したうえでまとめたものです。
その修正のときの配慮が「感情的になりすぎている箇所、被害者意識の強すぎる箇所、あまりにも自分を正当化使用としている箇所はなるべく削ったつもりでいる」とプロローグで触れられているだけでなく、「また、ワイドショー、芸能雑誌、写真誌などすべてが敵であったかのような表現になっているがそうではない」ということも記してあり、こういったことからも三浦さんの人となりが伺い知ることが出来ると、感じました。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、三浦さんは昨年がんで亡くなられた忌野清志郎さんと、都立日野高校で同級生でした。

三浦友和 ~ Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%B5%A6%E5%8F%8B%E5%92%8C

自身でバンド活動をされていたり、高校卒業後に専門学校へ入学してすぐ退学したことなども、自らの言葉で正直に背伸びすることなく語られており、そういったところを読むだけでもなんだか、どこか昔懐かしい友人に会って、昔話に耳を傾けているような錯覚までしてしまいます。そんな本です。


さてさて、肝心の日経ビジネスのコラムで触れている「不条理な戦いの結末」は・・・三浦さんの人柄、物事に対峙する真摯な姿勢がもたらしたものだとは思いますが・・・当時は“敵方”であった人まで、理解され信頼し合える仲にまでなるのですから、すべてはやはり日頃の行いが大切なのですね。

私も、もう一度この本を、読み直そうと思います。

 



被写体

被写体

  • 作者: 三浦 友和
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 単行本