幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

ガラパゴスで何が悪い。

一昨年ぐらいから、「ガラパゴス化」なる言葉が出て来ました。閉鎖的で、そこでしか通用しないものばかりの市場を指していうようですが、絶海の孤島でそこにしかいない生物ばかりとなっているガラパゴス諸島になぞらえた表現なのでしょう。

このガラパゴス化の象徴は、日本の携帯電話製造のメーカーを言うことが多いですが、果たして日本の携帯メーカーが、本当に“ガラパゴス”化していることが、悪いことなのでしょうか。

日本の消費者の高い品質要求とアフターサービスレベルの要求で、日本の携帯電話は世界一とも言える多機能と信頼性を身に着けました。しかし、国内の競争に注力するあまりに、海外市場での競争に太刀打ち出来る商品の開発が後手に回り、台数を捌くことの出来る、つまり高収益の端末製品を世に出すことが疎かになっていたことは、紛れもない現実です。

その結果、世界的なシェアでは日本勢は総崩れの状況となり、各社とも単独では生き残れないような状況にまで追い込まれています。
しかし、携帯電話への付加価値の開発は、私は今でも日本がナンバーワンであると思っています。

世界中で日本以外に、携帯電話でメールや通話はもちろん、インターネットも対応、テレビも観たり録画したり、写真や動画を撮ったり万歩計の機能があったり、位置情報サービスも対応しナビゲーションも出来る、その上電車の定期券として使えたり買い物での支払いまで出来たり・・・が携帯だけで完結するサービスを国内でシームレスに提供している国が、あるでしょうか?

企業の経営面から言えば、世界市場で均一の製品が、数多く売れてくれることが一番なのでしょうが、それはあくまで「売る側」目線で売る側の都合だけではないですか?

消費者の求めるものを先取りしようと、愚直なまでに高機能化に突っ走った日本の携帯メーカーですが、その技術はまだまだ競争力は充分以上に有ると、私は思うのです。



ガラパゴスじゃだめなのか」、700/900MHz周波数WGから

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20100628/349694/


私に言わせれば、グローバルスタンダードこそ糞食らえです。何でも世界標準で通じる世の中では、もはやありません。
これからはローカルスタンダード、その地域地域の特性に合わせて商品・サービスを選択し、フィットできるように対応出来なければ、世界的な規模で事業展開することは不可能でしょう。

ガラパゴス云々の誹りを受けた日本の携帯電話メーカーですが、ただそれを製造するメーカーが、日本の市場規模と激しい競争に晒された結果、単独での生き残りが厳しくなったと言うだけの話で、日本の携帯そのものはがダメ・・・ということではありません。
特にこの記事で触れているモバイル端末による決済サービスは、日本独自のサービスではありますが、決して“ガラパゴス”化の産物等ではなく、むしろ今後こういった製品・機能が、世界的に開拓されていくことになるでしょう。

ビジネスで捉えれば確かに日本で携帯電話の開発・販売を手がけてきた企業は、収益を上げることは失敗しました。しかしそれがイコールで日本の開発力の失点では無いはずです。

これからはガラパゴスという批判に臆せず、どんどん独自のサービスを高めて、それをグローバルに、地域ごとに展開する戦略をとることも考えて行くべきでしょう。

何も「グローバルスタンダード」だけがすべての解ではありませんから。


にほんブログ村 PC家電ブログ