幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

緊迫。

エジプトが大変なことになっています。

特集 エジプト情勢 ~ ロイター
http://jp.reuters.com/news/globalcoverage/antigovernment

ただ、こう言っては語弊があるかも知れませんが、日本で報道されているテレビや新聞の内容を見ても、いまひとつ実感がありません。
ムバラク大統領が独裁者だったのか、デモを行っている人たちが本当に正義なのか、それすらも良く判らないと思うのですが、皆さんはどんな感想をお持ちでしょう。

私は、こういう問題の時にはやはりその国の方の率直な意見を多く聞きたいと考えてしまいます。いわずもがなですが、日本のマスコミの報道にはバイ アスがかかっていますし、アメリカの姿勢も、民主主義の大義名分をふりかざしつつ、結局は自国への利益誘導しか考えていないですから、この両国発の情報では、これからエジプトがどういう方向へ進んだほうが国民の方の為なのか、わからないでしょう。

私も色々とネットでも情報収集しましたが、日本の新聞社やテレビ局の報道ではどうも情勢が飲み込めませんでした。しかし、ダイヤモンド・オンラインのこちらの記事は、私の胸のつかえをスーッと下ろしてくれました。やっと何か“腑に落ちた”感じなのです。


もしもムスリム同胞団がエジプトを掌握したら… 反政府デモの真相とムバラク後の中東和平
スタンフォード大学 ジョエル・ベイニン教授に聞く ~ ダイヤモンド・オンライン

http://diamond.jp/articles/-/11059

今回のエジプトの混乱は、チュニジア情勢が引き金になっていることはどうも間違いないようですが、報道に見られる様ないわゆる独裁に反してのデモという訳では、なさそうです。ムバラク大統領は独裁に近いほどの権限を握ってはいたでしょうけど、それはチャウシエスクやマルコス、そしてフセインのそれとは異質であり、単純に時の為政者の政策の影響で貧富の差が拡大し、それに対する不満の現れというのが真相のようです。

私が、それほど無い中東の政治情勢の知識で考えるに、懸念されることといえばやはり宗教の問題でしょうか。どうしても中東の情勢はイスラム教の過激さがイメージにあるので、今まで“民主的”に見えたエジプトが、急進的なイスラム原理主義の国家になってしまう可能性があるのか否かが、一番気になっておりました。

ムバラク大統領は確かに権力を集中してはいましたけれど、傍から見れば“大人”の国家でしたから。それが、
最近報道でも耳にするようになった「ムスリム同胞団」が、イスラム教原理主義勢力であることが報じられてから、「もし、この勢力が政権を取ったら中東の情勢はどうなってしまうのだろうか・・・?」ということが気になりだしてしまって、あれこれ調べてみたのですけれど、さすがに日本語になっている情報は少ないですね。今回のダイヤモンドオンラインの記事で初めてムスリム同胞団が穏健派の組織であること、そしてエジプトは政教分離が徹底されていることを知りました。政教分離については、日本より余程マシじゃないですか?(笑)日本はカルト宗教の団体が政党を組織して、それが政界で幅を利かせたり芸能界などでも大きな影響力を持ったりしていますから(笑)

そんなことはどうでも良いですけど(笑)

それにしても、オバマムバラクに辞任を要求していたのは、こんな背景があったからなのかと、ものすごく納得してしまいました。アメリカは、いつまで経ってもアメリカですね。他国を、自国の都合で内政にも平気で干渉して来ます。アメリカ人が「民主主義」とか「グローバル」とか言い出すと、それが誰であってもだいたい胡散臭いですから。

これから、どのような方向に進むにしても、まずはエジプトの普通の人々が平和に暮らせるような政治の安定を、先ずは実現して欲しいですね。その次は、自国の文化やアイデンティティを保ったまま、世界的な安定に悪影響を与えないような舵取りを、望みます。特定の国家の利益など、考えなくて良いですから。
VPS

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