ウサギ同士、喧嘩している場合じゃないですよね。
ウサギのキャラクターとして世界的に有名なミッフィーの著作権を保有するオランダ・メルシス社が、日本のサンリオのウサギのキャラクター、「キャシー」があまりにミッフィーに似ていて、ミッフィーの著作権を侵害しているとアムステルダムの裁判所で裁判が行われました。
2010年11月の判決ではメルシス社の主張を全面的に認めましたが、それに対しサンリオはミッフィーの著作権差し止め訴訟を提起し全面戦争の様相を呈しておりました。
・・・ところがです。この両者は東日本大震災を受け、「訴訟を行うことにより費やす両社の諸費用をむしろ日本の復旧・復興のために寄付すべきであるという結論に至り」両社同時にすべての訴訟を取り下げ和解することが、6月7日に両社同時に発表されました。
サンリオ社のニュースリリース
http://www.sanrio.co.jp/corporate/release/detail/382
ウサギ年に、ウサギ同士が争うというのもどうかと思いますが、著作権の争いは、作品に思いを込めたクリエイターであれば譲ることの出来ないものでしょう。
でもそれを、「訴訟に費やす費用をむしろ復興にあてるべき」と、両社・・・特にメルシス社側が取り下げを行うことに、私は感銘を受けました。
このページでミッフィーの流している涙は、本物だと。
東日本大震災の被災者の方へ ディック・ブルーナからのメッセージ
http://www.dickbruna.jp/news/201103/696.html
どこかの国の首相は、原発の処理を人質にして見苦しいまでの延命を図ろうと企んでいます。それに比べてこの両社の志の高さはどうでしょう。
非常事態に陥れば陥るほど、物事は優先順位が大切です。
ミッフィーの涙が、被災地の方の幸せに、少しでも繋がりますように・・・。