節電なんてものじゃないですよ。そこまでして原発の必要性を印象付けたいのかって、何だかシャツの中を滴り落ちる汗を感じながら、腸が煮えくり返ってしまいました。
福島第一原発の事故が、一向に収束も安定もしないこの頃では、原発推進派の電力会社や政治家達もさすがに「即運転開始」とも行かないで、「原発じゃなければ電気代が高くなる」とか「東京電力以外でも節電が必要」だとか、さながら電気のある生活を人質に、消費者を脅すような報道が目立つようになって来ました。
え、どっかの誰かは安全宣言して再稼動を目指したですって？・・・あんなヒトは放っておきましょう。何しろ我等の救世主・東京消防庁のハイパーレスキューを「恫喝」した方ですから。
本当に原発じゃないと、電気代が高くなるでしょうか？そんなことは無いと思いますよ。但し、火力発電と原子力発電のコストが正しく開示されていない現状のデータでは、どっちがどうという判断は出来ません。本当に火力発電で値上げが必要だというのなら、今までの発電方式でのコストを明確に開示するべきです。もちろんその中には原発の事故の補償費も含めて、更には電力３法での交付金もちゃんとコストに含めることが絶対条件です。今までの数値は「原発推進」ありきで、信憑性のないデータばかりですからね。
そうは言っても「事故が無ければ原発は安全なんじゃないの？電気が止まるほうが心配」という方もいらっしゃると思います。でも、事故が無くたって原発は危険なのです。日本ではまったく報じられていませんが、現在原発のある地域の方は発ガン率が異常な傾向値を現していることを、ちゃんと検証すべきです。
原子力発電所周辺で小児白血病が高率で発症 ―ドイツ・連邦放射線防護庁の疫学調査報告―
http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=619
これはドイツの事例だから日本は関係ない・・・なんて言えません。ドイツの原発だけが危険で、日本の原発は安全だなんて、福島第一の事例を見ていればお分かりでしょう。
それに、卑近な事例ですが私の知り合いで茨城に住んでいる方の中に、癌の経験者が尋常じゃないくらい多くいらっしゃるのです。茨城と言えば東海村が浮かびますが、皆さん東海村からはさほど遠いところにお住まいではない方ばかりです。
玄海原発（佐賀県）周辺は「白血病」患者が全国平均の１１倍も多い
http://www.asyura2.com/09/genpatu6/msg/396.html
福島県は、現在避難地域ではない福島市や郡山市でも、相当量の放射線が降り注いでいます。これらの地域が避難地域にならないのは、単に経済的な事情です。避難しても受け入れることが簡単ではないくらい人口が多いこと、そしてこの地域の人を完全に避難させるには莫大なコストがかかるからです。
宮崎駿監督も、こうおっしゃっています。原発に関する政府・電力会社の発表はまったくあてになりません。
正直なところ、国内に５４基も原発が稼動している日本には、もう安全な場所はありません。（強いて言えば今ユネスコの世界遺産の登録待ちになっている小笠原諸島ぐらいが、安全な地域と言えるかも知れません）
それでも、今の時代の年寄りや権力者、そして利権だけ追い求める人間の私利私欲の為に、後世に莫大な処理不能の放射性廃棄物の山を残してはいけません。それを考えても原発は絶対に止めるべきなのです。
原発はトイレのないマンションと同じ・・・と誰かが喩えて言ってましたが、まったくもって正解です。自分の家で、自分の排泄物を溜め込んで一生暮らしている世界を、考えてください。原発を稼動するということは、それと同じなのです。
大阪府の橋下知事は「原発の近くに住め」と言ったそうですが、私が原発を稼動させろという人に対して言わせてもらうなら、「自宅で自分の排泄物を溜め込んでください。その状態で一ヶ月我慢が出来るなら、あなたの意見が正しいとを認めましょう」・・・そう言いたいですね。
世界で唯一の被爆国が、原子力を認めてはいけないのです。原子力に頼らなくてもやっていける、日本はそういうリーダーになるべきだと、私は思うのです。
