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幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

金利の高い低い。

消費者金融

与謝野っていう金融大臣が何やら、「高金利は不道徳」見たいな事言っていましたが、果たして「高金利」というのは、人は何で判断するのでしょうか?

商品販売のように、仕入れ値が固定されていて販売価格は利益を上乗せということなら、この“上乗せした利益”が高いか低いかで判断出来るでしょう。他社と比べて多く取ってるとか、少なめだとかいう判断は可能です。

これを金利について当てはめるとどうなるでしょう?
消費者金融も、商品である“お金”の仕入れ値が“調達金利”と考えれば、“利益”は上乗せした金利というように考えてしまうでしょう。それでは上乗せ金利が調達金利より高ければ高金利、低ければ低金利と言えますでしょうか。

そうは言えません。
商品販売は、売ってしまえばその時点で販売価格から仕入れ値を引くことで利益が確定されます。しかし、消費者金融はそうは行きません。販売時、つまり融資時点ではこの金額をいくらの利率いつまでに返すというような、返済条件を定めたに過ぎません。利益として確定するには、完済してもらわなければなりません。ところが皆さんもご存知の通り、消費者金融では全てのお客様が完済に至る訳ではなく、残念ながら行方不明になったり、ご病気で働けなくなって収入が途絶えたりと返済困難になられるお客様が少なからずいらっしゃいます。

従って、消費者金融でこの販売価格を決める“利益”(=貸出金利)をいくらにするかは、次の内容を含めて考慮する必要があります。


1.事務所などの運営コスト
2.人件費
3.次のお客様を獲得する為の販促費用
4.振込手数料・印紙代・郵便代などの契約関連費用
5.返済不能になるお客様数分の元本と将来利息(いわゆるリスク)


この中で一番影響のあるものは、5.の返済不能になるお客様の数を、どう想定するかです。

不思議なもので、金利の低い商品には、返済困難になる率の低いお客様からのお申込が多く、金利の高い、出資法上限いっぱいの商品(私が業界に入った当時は54.75%でした)には、それなりのリスクのお客様からのお申込が多くなるんです。
金利の低い商品は、審査が厳しく融資成約率が低いので、それなりのリスクのお客様は、貸してもらえなければいくら金利が低くたって用を成さないので、最初からお申込をされないんですね。
それなりのリスクのお客様の、お申込の第一の目的は、金利がより安いかでは無くて、“本当に貸してくれるか”なのですから。私はこれを「顧客自動選別理論」などと呼んでいました。これは同一業者の商品別で行われる動きではなく、消費者金融で言うなら、大手やクレジット会社はローリスクで優良属性のお客様が自然に集まり、私の在籍していたような中小業者はハイリスクのお客様が自然にお申込されるようになって来ます。
キーは「本当に貸してくれる?」ですからね。

金利の高い商品は、当然リスクを多く見込んでいますから審査基準も応分にゆるめに運用が可能です。しかし、金利の低い商品はそうは行きません。金利の高い商品と同じ審査をやってしまえば、途端にその商品は破綻します。消費者金融だって商売です。慈善事業ではないですから、「不道徳」だなんて訳の分からないこと言われても、金利をむやみやたらに下げることは出来ません。

商品販売では乗せる利益が多ければ“ボッタクリ”という事が出来るでしょうが、消費者金融はいくら高い金利(=乗せる利益)を設定しても、決して“ボッタクレナイ”です。高い金利ということは、応分のリスクを消費者金融業者が想定しているから出来ることで、その金利の上乗せ分がすべて物販のように利益になるのではないことを、与謝野さんにはまずご理解いただかなければなりません。
その金利分で、返済困難になるお客様分の元本利息を含めて回収しなければならない訳ですからね。
このように考えていくと、消費者金融での金利の高い低いは、次のように判断出来るでしょう。



不良率が1%と24%でちょっと極端ですが、不良率と関連付けて考えたこのケースでは、貸出金利18%のほうが実質利益が多くなっています。
40%の貸出金利に利益が少ない状態ですから、こちらの金利引下げの余地は殆ど無く、より金利引下げの余地を残した貸出金利18%のほうが“高金利”と言える状態です。

次に、貸出金利出資法上限いっぱいで営業している二つの業者があって、一方は審査がゆるく他社利用が多かったり年収が低い場合でも融資してくれて、もう一方はちょっと借り入れが多かったり勤続年数が短いと融資を断られる・・・というケースはどうなるでしょう?

これは、消費者金融の審査基準を決めるもうひとつのファクターが影響を与えています。即ち、“取立て”です。念入りに審査をせずに貸すだけ貸して、回収時に債務者(こうなるともう、“お客様”ではなくなります)を締め上げて回収するので、別名「出口主義」とも業界では呼んでいます。
反対に、回収で苦労したくないので申込のお客様から高リスク層を入念に排除し、不正申込(偽名や身分証偽造・経歴詐称・虚偽申告)を徹底的に洗い出すやり方は「入口主義」と呼ばれます。
こういうケースの場合は、貸出は同じ金利ですがリスクが異なります。大人しい回収では入金見込みの無い方へ融資する訳ですから、相応のリスクを想定しております。
リスクを考慮して考えると、“出口主義”で容易に融資を受けられる会社は、ハイリスク(=高コスト)のお客様でも同じ金利での融資となるのですから、キツい取立ての会社は「お買い得」と言えるかも知れません。 以前消費者金融で窓口対応をしていた時に、取立がキツいと言われる会社のご利用があるお客様から、「○○はキツいけど貸してくれるから、困ったときに使えるんだよね」などと、雑談の中で言われることがありました。キツい取立ても、全てがイコール悪ではないんですよ。コミュニケーションが欠如して、お客様との会話にも“のりしろ”が無くなったことも、アイフルの取立行為のトラブルでの遠因のような気もします。

単純に利息制限法の金利や、銀行貸出金利などと比較して、消費者金融金利を論ずることが、如何に片手落ちか、如何に偏見に満ちたものであるかがお分かりになると思います。

これでも消費者金融は“高金利”ですか?与謝野さん。