幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

人非人。

金貸しは政治献金したり、業界団体に政治家を迎えても、いけないみたいですね。
まるで金貸しは“人でなし”とでも言われているようです。

政治献金貸金業界でも確かにしていますよ。

ちょうど私が某県貸金業協会の委員をしていたときに、最初の国会議員への陳情を行いました。「貸金業界は、これからはちゃんとした団体として政界・政治家にも意見するべきだ」との考えで、業界では初の政治献金にチャレンジでした。それまではやはり、金貸しごときが政治に口出すなっていう、雰囲気も当時は残っていましたから。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061031-00000014-mai-soci

ただ、金額も少ない上に、献金する側も「受け取った側にも迷惑をかけてはいけない」っていう“自虐意識”も働いていたこともあり、現実には献金というより、「ご挨拶」程度の意味しかなかったですね。

ここで考えていただきたいのは「業界団体」って、そもそも何の為に存在するか?です。
業界の意見を政策に反映させる為、が一般的ではないでしょうか?。
それは決して「悪いこと」では無いはずです。それとも業界としての意見ですら、政治家に陳情することも“金貸し”には認められない権利なのでしょうか?
http://www.wiaso.com/cyukan/cyukan.htm


そもそも、日本の政治は、官僚主導で政治家に何か持ちかけても実際には動くことは殆どありません。既に官僚主義が馬脚を現しているにも関わらず、それを押さえるべき政治家が、地元民への利益誘導や次回選挙での当選にばかり気を取られているようでは、とても官僚を抑えるだけの人格と知識を備えた政治家など、望むべくもありません。

政治献金などで政治が動かせるのは、もっと強大な組織と金額で、官僚まで動かせるようになったときであって、屁にもならないような微々たる金額を出しているからと言って、政治の流れが変わる訳はないでしょうし、貸金業者もそこまで望んでいる訳ではありません。

http://www.kyocera.co.jp/event/inamori/press/9904.htm


今回の一連の貸金業バッシングは、以前の私のエントリーでも触れましたように金融庁の主導・金融庁が日本の金融のすべてを手中に治めるという強力な意図を持って行っている、と思われます。でも、貸金業においては市場の論理は無視して、すべてを“官”が管理すると言うのも、私は正しいとは思えません。今回の金融庁の行動は、感情論ばかりで具体的な検証が何一つされないまま、金利制限を法制化しようとしているのですから。言い方は悪いですが、そこには「職業差別」すら感じます。

貸金業者への規制が金利のみに終始することの一番の弊害は、本当に悪いところが放置されてしまうことでしょう。金利を引き下げたって、ルールを外れる行動をする業者は絶対に残るでしょうし、反面、金貸し全員が悪党な訳では無いのにそういう善良な業者ほど規制が強化されれば淘汰されてしまうことの問題は、どのように解決するのでしょう?

今、本当に必要なのは個人信用情報の業態横断化と、取立行為の規制の徹底のみであって、決して金利規制ではないはずです。

現在の上限金利29.2%などは、市場的には低すぎます。これよりもまだ下げようって言うのですから、官僚が貸金業をビジネスとして認めていないことの現れでしょう。

官僚は上限金利を設けることで、業者がリスクを取れなくなり融資総量が制限できる、と踏んでいるようですが、それは現場を知らないから言える夢想であって、決して現実ではないと言うことに、気づく必要があります。

まあ、こんな与太記事をありがたがって報道する新聞もあるくらいですから、今更私ごときが何を言ってもどうにもならないでしょうが。