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幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

男たちの大和。

映画公開からも1年近く経ってしまって、今更感がありますが・・・。

私は映画は見ていません。映画が苦手って言うのもありますが、原作本のある映画で、原作以上の出来の映画を見たことが無いので、見ないようにしている、というのが正しいかも知れません。

この本は、ドキュメンタリーです。辺見じゅんさんが、緻密なインタビューを積み上げて、淡々と描写を重ねていく本です。そこには何の作為も演出も存在していません。読書感想文としても稚拙なぐらいの、何の飾りも無い表現が文庫本であれば上下巻全編にわたって続くのみです。抑揚も感情も抑えた描写が、かえって事実の重さを感じさせるように、意図したのかも知れません。

と、言うよりも、私がこのドキュメンタリーを書こうと思うならば、多分何の創作も出来ないでしょう。それくらい当事者の言葉は、経験は、重たい・・・それを実感します。年端も行かぬ少年が、自分の意思もおぼつかぬまま戦地へ送られ、そしてそのまま死んでいく、戦争というものはそういう物なのでしょうが、翻ってそれが我が身におきた時の事を想像すると・・・つくづく人生は平等ではないと感じさせられました。

現代も左系の方々が反戦を主張したり、日本の戦争犯罪についてしたり顔で主張されたりしています。でも、どんな能書きよりも人の命は重い。戦争が、身近にある、自分の意思とは関係なく戦地へ行かねばならない、むしろ戦地へ行くことが必然となるならば、誰かの為に戦地へ赴きたい・・・。これほど純粋な心があるでしょうか?

別に戦争を賛美するつもりは私には毛頭ありません。でも、現在の平和ボケの日本の現状を見るにつけ、「人間はむしろ戦争のような極限状態にでもおかれない限り、他人に優しくなれないのだろうか」とも考えてしまいます。ドキュメンタリーで描かれている人たちが、ピュアで痛々しい。

現代に生きていれば、あの戦争で亡くなられた方も、もっと人生を謳歌出来たでしょう。

その重さを、忘れてはいけませんね、今を生きる私たちは。

決定版 男たちの大和〈上〉

決定版 男たちの大和〈上〉

  • 作者: 辺見 じゅん
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 文庫