日歩計算、消費者金融の現場に即した計算方法で、現場で回収にあたったことのある方は良くご存知だと思いますが、一般的には知られていませんのでちょっと説明してみたいと思います。
日歩は、簡単に説明すると「1万円あたり1日の利息」を計算するときに使うんです。
例えば 日歩10.96銭ならば、1万円での1日の利息は10.96円となります。
つまり元本を1万円単位の表記に替えて、その数字に10.96をかけるだけで、1日分の利息が計算出来てしまいます。
これに日数をかければ、前回の入金日から今回の入金までの利息が、誰でも間違いなく計算出来るのです。
それでは実際にやってみましょう。日歩の表示で、10.96銭は 実質年率40.004%なのですが、本当に一致するのでしょうか?
まず、実質年率での計算です。
1万円の1日分の利息は
10,000円×40.004%÷365日=10.96円 となりますね。
これを日歩計算すると、
1(万円)×10.96=10.96円
元本を変えて見ましょう。
125,497円の1日利息は 日歩計算:12.5497万円×10.96≒137.5円
実質年率で計算しても
125,497円×40.004%÷365≒137.5円
どうです、簡単でしょ?
40.004%の意味
利息制限法は、元本10万円未満の場合、年率20%で、万一遅延があった場合は損害金としてプラス20%を請求できる規定がありました。
なので、延滞した場合は20%+20%で40%が上限だった訳です。
そこで、昭和58年の出資法改正の時に、利息制限法の実質的上限と、本則金利の上限を一致させようという意向が働いて、40%で行こう、ということになったのですが、この40%という数値が、日歩計算で置き換えられないのです。消費者金融の現場では、日歩計算が主流だったので、日歩で置き換えられないと現場で計算対応出来ず、微妙な法令違反を招いてしまう事を想定して、事前にそれを防止する目的で、日歩に置き換えられる数字を、規制に盛り込んだ、とされています。
日歩と実質年率の対応は、こんな具合になります。
日歩 実質年率
11.00 40.15%
10.97 40.0405%
10.96 40.004%
10.95 39.9675%
10.00 36.5%
40%に一番近いところで、日歩表示出来る実質年率が“40.004%”なんですよ。
ちゃんと理由があるんです。
29.2%なんかと違ってね。