幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

本物の王子。

TBS 日曜朝放送の「がっちりマンデー」、7月20日放送で東京のタクシー会社、日本交通社長の川鍋一朗さんが取り上げられていました。
http://www.tbs.co.jp/gacchiri/

“東京の”と断ったのは、同名のタクシー会社が関西にあるからです。但し双方の資本上・業務上の繋がりはチケットの共用程度のものだそう。

日本交通 (ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%A4%E9%80%9A_(%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD)

日本交通 ホームページ
http://www.nihon-kotsu.co.jp/


3代目の社長というと、会社を潰すと言われるように、番組の冒頭は川鍋一朗社長について、「どうせ3代目の(以下略)」だろうと言う、先入観を持ってみていました。特にこの一朗社長は慶応大卒業、米国留学経験そしてMBAも取得しており、“エリート中のエリート”ですから、「頭でっかちで実戦経験に欠けているから、現場のことは優秀な黒子に任せているんだろうな」などというイメージを持って、見ておりました。それにしてもマッキンゼーコンサルタントとして勤務したこともあるなんて、ホントに頭の良い方なのですね。

ところが、番組が進むにつれて、一朗社長の雰囲気が、所謂「出来の悪い」方のそれでは、ない事に気付きました。経営者然としていないところは、若さがなせる業でしょうが、何とも言い難い“地に足が着いている”感覚があるのです。むしろ創業社長のうちの会社の社長のほうが、浮ついているくらい(笑)です。

私が何より感心したのは、一朗社長の「正直さ」です。
テレビ出演ということで多少は自分の立ち居振る舞いを繕うのが人情、というものでしょが、この一朗社長はまったくそんなことお構いなしです。

上記TBSテレビの番組リンク中に、この日の番組の内容が紹介されていましたが、
http://www.tbs.co.jp/gacchiri/oa20080720-mo2.html
その中で社長から全社員に向けての「イチロー通信」という、携帯アドレス向けのメールマガジンの事に触れられた時のことです。

もちろん、大勢の社員がいれば、社長に批判的な方も少なからず居るでしょう。特に創業者一族の若社長ともなれば、妬みなども手伝っていわれのない批判を受けることもあるはずです。

それでも一朗社長は「追えばわかるんですけども、わかってもしょうがないと言うか…。その人を追及して怒っても変わらないじゃないですか。それはそれで、受け入れないけれど受け流す」 とのこと。

受け入れずに受け流す、と言うところが、何とも強くて良いですね。変に媚びるでなく、かといってうろたえるでもなく。自分の信じた道を、自然体で貫き通す姿勢に、私は感心してしまいました。

また、このところの日本交通の業績を支える“黒タク”。ドライバーの格付けを行って、グレード分けをするものですが、これは最初は他社がやっていたものを大々的にキチンと事業としたのが日本交通とのこと。一朗社長は「まあ、真似ですけど、強者の選択ですよ」と屈託がありません。

この辺りはおぼっちゃま育ちの良さが出ているんでしょうね。ひたすらに実直で虚栄を張りません。このことが実は30代でいきなり社長業を受け継ぎ、古参の60歳以上の役員ばかりの中でも存在感を示していった理由の一つではないか、と感じました。


さらに川鍋一朗社長、大胆にも1ヶ月間社長業から離れて1タクシードライバーとして普通に勤務した経験があるとのこと。そのときの体験談を含めた彼の社長業を支えるバックボーンを記した著書が、発売されているそうです。


タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」

タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」

  • 作者: 川鍋 一朗
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本



この番組ですっかり一朗社長に興味を持った私ですが、この「タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」はAmazonをはじめすべてのオンライン書店で品切れ中でした。
仕方が無いので出版元の文芸春秋社のサイトから発注して、到着を待つことにしました。

http://www.bunshun.co.jp/book_db/3/70/18/9784163701806.shtml

いつ到着するやら・・・。まあ届いても、そんなに本を読んでいるヒマは、ないんですけどね。