幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

クレーマー。

今日は、怪しい体調の中、休むことも出来ないので出勤しましたが、殆どがクレーム対応でホトホト疲れました・・・。

どちらも大型カメラ系量販店のお客様です。

お一人は、今年の6月にノートパソコンの画面が暗くなると言うことで、修理を行いました。
液晶のバックライトのケーブルの不良(このメーカーはこの手のトラブルが多いのです)でケーブルを交換し、お返ししたのですが、このお預かりしたモデルのパーツ供給がこの月に終わるものであったので、「お返しして万一、使用したパーツに不具合があっても、再修理出来ない可能性がありますが、宜しいですか?」と、お断りした上で修理を進めました。

すると、お返ししてまもなくお客様からご連絡があり、やはり同じトラブルで画面が見えないとの事でした。お早めに修理に出していただければ、パーツもありますので無料対応します・・・とご案内するも、梨のつぶて・・・。忘れかけていた頃今週の月曜になって「今まで使えなかった分をどうしてくれる?修理に払った金を返せ」と言って来ました。
おまけに、「修理になんかもって行けない。送ることもしない。文句があるならこっちに見に来い。」などと言い出す始末。

あの、すぐに出してくれれば直すってお伝えしたのですが(以下略)。。。さすがに今預かっても、パーツはメーカーからはもう供給がなく、修理は出来ません。「謀ったな」って所ですね。元々、修理に出す気はなく、壊れても居ないのでしょう。パーツ供給が止まれば修理が出来ないと聞いたことを逆手に取って、修理出来なくなる頃を見計らってクレームを言って来たとしか思えません。日常使っているパソコンが壊れたままなら嫌ですよね?それを半年も放置して、挙句「持て行けない・送らない」と来ましたから・・・。

“敵も然る者”で、こちらから訪問して確認するのは、交通費で修理代金と人件費が飛んでしまうようなところにお住まいなのです。私の判断としても、このクレームを長期化させて、他の入荷に対して影響を与えてはいけない・・・と、やむを得ずご返金に応じることにしました。あくまで、“やむを得ず”ですけど。


もう一件。こちらはかなりパソコン慣れしてるお客様です。電源を入れてもOSが起動しない、CDからのリカバリ(もう一度購入状態にハードディスクを戻すこと)も出来ない、バッテリの持ちが悪い・・・とのご申告症状で入荷しました。

当社の検証結果は、OS起動しない現象を確認し、各パーツの検証を実施しましたが、障害があったのはハードディスクのみであったので、これを交換し再インストール・動作確認で問題なくご返却しました。あとバッテリも交換して・・・。

これが直っていないと、すぐにクレームになりました。

パソコンの修理は、基本的にはお客様のご申告の症状を中心に検証を行います。正直に申し上げますが、全ての動作確認を実施する訳ではありません。そこまでの時間を1台にかけることは、人件費などコスト対効果の面で不可能なのです。修理と言うのは本当に利の薄い商売(パソコン1台修理して、経費を引いたあとの純然たる利益は100円にも満ちません)ですから。
但し、「起動しない」というご申告であれば、原因は多岐に渡りますから、検証内容も当然多くなり、漏れや見落としは殆ど考えられなくなります。それなのにこのお客様にお返ししてすぐに、同じ症状で困っている・・・とお電話をいただいてしまいました。

ところが、このお客様、私がお電話でお話すると、修理内容も対応もご納得いただけるのです。それで「お店と話します」となるのですが、お店の方と話すと内容がまったく異なってくるのです。とは言え、お客様の名誉の為に申し上げると、まったく嘘をお話されている訳ではなく、話の切り口を変えているのですね。

このお客様の対応については、お店の担当も問題ありです。この量販店は、すぐに取引先に対応を任せて「うちで扱ってやってるんだから、後は業者側で対応するのが当然でしょ?」というスタンスですから、問題が起きると我々“下請け”への丸投げになります。クレームの内容、責任の所在を明確にせず、ただ「お客様がこういうお申し出だから、お宅でなんとかしてよ。業者でしょ?」というスタンスで投げられると、それこそ問題の傷口を拡げるだけなのです。
お客様のお申し出の内容と、それに対するお店側の対応と業者の対応の事実関係を正確に把握し、1担当という立場から離れて「本当の所、この問題はどっちに非があるのか?」を冷静に分析して対応方針を明確化しないと、話が見る見る拗れてしまいます。

クレーム対応で忘れてはならないことは、非は非で認め、非のない部分は決して安易に妥協すべきでは無いということです。おかげで私の一日は殆どこのお客様の対応で費やされてしまいました・・・。

こちらのお客様は「年末でパソコン使いたい時にこれでは困るから、出張修理して欲しい。ダメなら買い換えるから返金して欲しい」とのお申し出との事。出張修理では、費用・パーツ代含めると、正直このお客様のパソコンなら新品買って返したほうが安いというレベルです。その辺りも分かった上で、無理難題を吹っかけてきていると思えて、何だか悲しいですね。

これも不景気のせいなのでしょうか・・・。まったく世知辛い世の中になったものです。