幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

iPhoneの真実。

Appleというと、一般的には革新的なイメージ戦略で上手くマーケティングを行っている会社ですね。

技術的にも、デザイン的にもアイディアに富んでいて個性的なメーカーであるというイメージ戦略は、現在は見事にハマっています。
それでも、製品をパーツレベル・デバイスレベルで見ていると、必ずしもそうとは言い切れません。いや、むしろ“違う”と断定すべきでしょう。


アップルと「Pocket Yoga」を結ぶ、意外な“点”と“線” ~コンピュータワールド
http://www.computerworld.jp/topics/netbook/141830-1.html

AppleLenovo、一見繋がりのない両者ですが、iPhoneネットブックの双方で繋がりがあるのではないか?としたコンピュータワールドのコラムです。

私は、メーカーの好き嫌いは別にしてAppleの個性と独自性は認めます。しかし、その技術については、現在のコンピュータ市場を見渡す限りでは決して“個性的”なものではないのです。

何故ならば、使用されるデバイスやパーツは、所詮中国或いは台湾のメーカーで開発・生産されているもので、その意匠は除くとどれも中身は似たり寄ったり・・・というのが、昨今のコンピュータ市場の現実です。それは、Appleとて例外ではありません。

Appleも生産はその全てを台湾・中国のメーカーに製品ごと外注しており、特にIntelのプラットフォームを使用するようになってからは、Windows機とのハード的な差異を認めるのが困難なほどです。それもそのはず、チップセットやCPUなどから見れば、それが「Apple」で使われるか、それとも「HP」で使われるか程度の差しか存在しないからです。(むしろ、Intel等のCPU開発メーカーのメインストリーム・ロードマップから見ると、Appleのそれは世代が一つ二つ遅れている・・・という見方すら出来ます・・・Mac ProではようやくXeonの5500を搭載しましたが、他のiMac等は未だにCore 2 Duoがメインのラインアップに過ぎません)

参考:インテル、次期プロセサ群「Nehalem」のロードマップを公開 日経IT Pro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080821/313088/


私が取り上げた上記の記事では、Appleの「信者」が見たら破って捨てたくなるような話題だと思います。(ネット上の記事ですから不可能ですが・・・)しかし記事後段のネットブックに関する記載は著者の予測ですが、iPhoneの話は現実に起こったことです。iPhone以降、同型の商品が多く発売され、その多くが「偽物」あるいは「真似」の烙印を押されましたが、それはAppleの独創性が生んだものではなく、実はSteve Jobsの巧妙な市場戦略がiPhoneの成功を生んだのです。


記事後半のネットブックのところでは、著者はLenovoの開発した「Pocket Yoga」のコンセプトをそのままAppleが流用するのではないか?としています。私もそのように思います。最近噂ばかりで一向に姿を現わさないAppleネットブックは、開発しないのでも参入しないのでもなく、ただ単にSteve Jobsが発表タイミングを見計らっているに過ぎないのではないかと、思うのです。(場合によっては、“Appleのブランドを傷つける”として、見送る可能性もありますね)

この、「Pocket Yoga」ですが、キーボード入力を優先した意匠を採っているところなど、先日発表されたソニーVAIO Type Pと同じ発想上にありますね。ソニーは搭載するデバイスから自社で開発しておりますが、Lenovoはこの商品をコンセプトモデルとしており、外注で開発作業に着手させていたのではないかと思われます。
2年前の技術ではこのサイズは相当に厳しく、商品化は見送られたでしょうが、現在の技術であればある程度ちゃんと動く製品までは、中国・台湾のメーカーでも製造可能でしょう。

生産の委託先がLenovoApple共に同じ会社だったら・・・委託先のメーカーとしてはどこが出すのでも、「売ってくれれば良い」ですから、製品化も遠くない将来にあるかも知れません。それがもしAppleだとしたら・・・iPhoneの“意趣返し”的に先にこの情報をリークして、「元のアイディアはウチだよ」とLenovoが主張したい・・・という仮説も、充分説得力がありますね。

そんなやり取りを見るにつけ、私は個人的には、「日本頑張れ!」と思わずにはいられません。小型化でも、ユニークな意匠でも、世界的に通用するモデルが日本から発表されることを、期待しております。



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