幕張の風

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引用  2010年 5月 8日 日経新聞電子版より


過払い金返還で国家賠償請求 盛岡の元貸金業者

消費者金融などの利用者が過去に払い過ぎた利息の返還を求める過払い金返還請求に関連して、元貸金業者ユニワード(盛岡市)が国を相手に賠償を求める裁判を起こしたことが7日、わかった。法律や金融当局の行政指導に従っていたにもかかわらず返還請求で多額の損失を被ったのは不当として、すでに返還した過払い金など少なくとも約3億円の賠償を求めた。

 過払い金返還で業者による国家賠償請求は初めてで、大手の消費者金融も追随する可能性がある。東京都内の弁護士が代理人となり4月30日に東京地裁に提訴した。

 過払い金は利息制限法の上限(15~20%)と出資法の上限(29.2%)の中間の灰色金利の支払い分。1983年成立の旧貸金業規制法は、所定の内容を盛り込んだ契約書を取り交わすことを条件に、灰色金利での貸し付けでも債務者が任意に支払った場合は有効な弁済とみなすとしていた。

 だが、2006年1月の最高裁で灰色金利の受け取りを厳しく制限する判決が出ると業者に対する過払い金の返還請求が急増。大手を含めて経営に大きな打撃を与えている。

 ユニワードが問題だと主張しているのは、行政当局は灰色金利の受け取りを容認していたにもかかわらず06年の最高裁で支払いの「任意性」が否定された直後に関連法令を判決に沿った内容に修正した点。法令に従ってきた業者側に過払い金返還の負担を負わせるのは不当だとしている。これまで実際に返還した過払い金と、元本の削減で相殺した分の賠償を求めるという。金融庁は「訴状を見ていないので、コメントできない」としている。


今まで「良かった」ものが、気分が変わって急に「ダメ」になった・・・それが過払い返還です。
貸金業者を規制する貸金業規制法が昭和58年に改正されたとき、目的はこの3つでした。

1.取立て行為の制限

2.貸金業の登録制への完全移行

3.金利規制(上限40.004%)の実施

中でも3.の金利規制は当時から出資法と利息制限法の2法のバランスをどう取るか・・・で、当時の立法時も相当の配慮がありました。
出資法は非刑罰金利となるため実態に近い金利、利息制限法は私人間の貸し借りまで含めた金利の規制であり、すべてを出資法への統一も無謀だという判断も働いたのでしょう。双方を維持する代わりに出資法でOKでも利息制限法の制限を越える金利を、貸金業規制法上で有効と認める特例を設けることで、反対に貸金業者が法律改正に従うよう「アメ」を用意したという側面も、もちろんありました。
ちゃんと貸金業の登録を行い、貸付台帳を整備し、書面の交付を規定どおり実施すれば、利息制限法を上回る金利を有効と認める・・・それが「みなし弁済」の規定だったのです。

それを、ひとつの最高裁判例がめちゃくちゃにしました。きっかけは商工ローン問題にあるとはいえ、それまで真面目に指導に従い、業界の健全化に努力してきた地方の中小の貸金業者は、もう壊滅状態に陥っています。

貸金業になんの縁も無い人には、その存在意義が分からないかも知れませんが、やがてこの事実がどれだけ日本に与える影響が大きいか、身を持って知る時が来るでしょう。
既に、消費者金融で運転資金を調達していた中小企業は、資金繰りに窮してこれもまた、壊滅に近い状況に陥っています。

日本人は、「金貸し」を蔑み過ぎです。私が金貸しを一度は仕事に選んだのは、「皆が蔑む」仕事だからです。その皆が蔑む仕事にも必要とする人たちが居て、役立っていることがあるのなら、私は周囲の目など気にしませんから、一生金貸しで通してやろう・・・そう思っていました。

やっぱり、負けてはいけません。事実は事実として、声を上げるべきです。貸金業者にも、正義はあるのですから。


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