幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

お茶の水。

私にとって、東京で一番思い出深い街が、お茶の水です。

東京デザイナー学院の夜間で工業デザインを学んでいた2年生の頃、今のお茶の水小学校(旧:錦華小学校)の近くのビルで、データベース作成の仕事に就いていた頃がありました。

ここです。
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http://www.mrs-ads.com/

そこでのお昼休み、お茶の水橋からの通り沿いの谷口楽器店へスティックを買いに行った事があります。ここは、スティックをバラで売ってくれるこの通り沿いでは唯一のお店でした。

谷口楽器
http://shop.taniguchi-gakki.jp/

今では、パーカッションは扱わなくなってしまいましたけれど・・・。

スティックは、木の部分によってスティックそのものの共鳴音が微妙に違うので、フォルテシモでショットする時はいいのですが、ピアニシモのドラムロールだと微妙に左右の音の違いが出てしまうので、出来るだけ固さ・響きの同じ、反りのない二本を探して使う必要があります。

私が、スティックの売り場で床でスティックを転がしたり、手すりをコンコン叩いて響きを確かめていると、見知らぬスウェットスーツ姿のおじさんが、声をかけて来ました。

「君、ドラム長くやってるの?」と。
私が、「ええ、高校生の頃からバンドやっています」と答えると突然、「今、学生さん?だったら1日アルバイトに来てくれないか?」と言い出すのです。
私は「確かに学生ですけれど夜間なので、今はお昼休みなのです。アルバイトもありますので急には出来ませんが」と答えましたが、おじさんは「そうだろう、君にも都合があるだろうから明日来てくれとは言わんが、今週の金曜日ぐらいは今の仕事を休んで来てくれんか?」と猛プッシュしてくるのです。

仕事の内容はというと、このおじさんは赤坂で会社を経営しているのですが、自分の息子の道楽で買い込んだドラムセットをちゃんと始めたいのだが、何にも知識が無いからセットの仕方すら分からないから、とにかく来てセットしてくれ・・・と、ただそれだけの内容でした。

さすがに当時はネットなどある訳もなく、このおじさんの素性を確かめる術も何も持っては居ませんでしたが、持ち前のお気楽さと能天気さで、あとなんだか本当に困っているようだったので、「いいですよ」って返事をしてしまいました。

待ち合わせは、電話番号を渡されて、「朝9時に赤坂駅を降りたら、ここへ電話をしてくれ。そうしたら車を迎えにやるから」と言われ、電話で自分の立っているあたりを伝えて待っていると、黒塗りのおベンツが現れるではないですか!!(笑)

持ちビルらしい会社につくと、最上階へ案内されて、そこにはスタジオ用と思われる部屋の中に、ドラムセットがそれなりに置かれていました。でも、「これどうやって叩くんだよ」って突っ込みたくなるような形で(笑)

ここまで梃子摺るとは思いませんでした。何しろほんとにフルセット。自分ではあんなにタムタムもシンバルも多く使ったセットなんて使ったことありませんから、まず全部解体するだけで大変でした。

おまけに、ドラムのヘッドがめちゃくちゃでした。トップ用とボトム用を何にも考えず、単に「一番高いのをくれ」と言って買ったそうで、「すいません、これじゃちゃんと鳴らないですから、ドラムのヘッドを買い変えたほうが良いですよ」とおじさんに言うと、「じゃあ、楽器屋さん行こうか」とお茶の水へおベンツで直行(笑)

レモの「ピンストライプ」を打面だけじゃなくて裏面にも張っていたのです。そのくせスネアドラムにはCSを張っているのです。スネアにCSじゃ、「ダメだこりゃ(笑)」

パール楽器 レモ ドラムヘッド
http://www.pearlgakki.com/drum/pro_head_basic.html

表面のピンストライプは、私も自分のスネアに使っているくらいぐらい好きなヘッドなのでそのままにしようかと思いましたが、チューニングを適当にやってしまったせいで、リムがゆがんでしまっています。結局、トップもボトムも全部買い換えたほうが良さそうなので、全部お買い上げ。タムタムにはピンストライプはもったいないですから、そっちはCSにしてボトムはクリアーのミディアム、スネアのヘッドだけはピンストライプにしました。
すべてのヘッドのチューニングを終えて、セットを組み始めましたが、どのくらいの背格好の人が使うのか分からないと高さが組めませんので、おじさんに聞いてみると、「いや、君とそんなに変わらん体格だから、君のやりやすいようにやってくれ」とのことでしたので、ええ、好きに組ませていただきましたとも(笑)

途中で店屋物のカツ丼までご馳走になってしまいましたが、何とか15時ぐらいにはすべて完了!せっかくだから・・・と「君、叩いて行って良いよ」とのお言葉に甘えて叩かせていただきました。

おじさんは、「同じドラムとは思えないねえ。こんな良い音がするんだ。やっぱり違うもんだね」と、お褒めの言葉(笑)そりゃそうですよ、私じゃとても買えない、パール楽器のプロモデルですもの。

このとき買ったスティックは、高校の時一緒にやっていたベースの奴から「まーきん。、もう一回やらないか」って誘われて、「とりあえず、この左腕が動くまで、やろうか」と、スティックを新調しようと思って選んでいました。

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結局、そんなに使えなかったんですけれどね。
懐かしい、思い出です。

今日、大切な人に話して思い出したので、忘れないうちに・・・。
VPS


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