安保法案(私のFacebookページでは「戦争法案」と表記していますが、ブログではこの呼称とさせていただきます)の賛成・推進の考えの方がいらっしゃることは、私は悪いことだとは全く考えていません。私個人としては日本国憲法の精神とも言える9条の否定と言えるこの法案は反対の立場ですが。
それでも、民主主義の本質は、複数の意見を主張をぶつけることで、より良い結果を生み出すことにあると考えるからです。
ですから、私と異なる考え方の人でも、意見はきちんと聞きます。それが相手を頭ごなしに否定したり、暴力的なものでない限り。
しかし、今の産経新聞は、そんな悠長なことを言えるような状態ではありませんね。
自分たちの主張をするのは本当に自由にしていただいていいのですが、ないことをあるように、しかもそれを仮想敵のように仕立てあげて叩くという手法は、まったく賛同出来ません。
産経の仕立て上げている“仮想敵”は、そんなものあるはずがありません。今、日本に存在する二つの座標軸は、ネトウヨとそれに近い狂信的な国粋主義者が、中国の脅威をことさらに強調し、それに対抗するための日本の軍備を声高主張する勢力と、それ以外の普通の国民だけです。
彼らの言うような「サヨク」など、もう学生運動華やかなりし頃に死滅しています。高齢化が進んで活動どころではないでしょうし、今の学生たちはそんな運動知る由もありません。
今回の安保法制反対のデモ活動でも、「共産党から動員されている」「日当が出ている」などという何の根拠もないデマが、ネトウヨからばら撒かれていましたが、彼らの根拠は個人ブログや2ちゃんねるのまとめサイトなど、何の裏もないいい加減なニュースソースばかりです。
ネトウヨは、自分たちと違う主張はすべて「サヨク」だと、それこそ自分たちが繰り返す「サヨク」批判で好んで使っている「レッテル貼り」をしています。
仮想敵を仕立てあげておかしな方向へ国を進めてしまうのは、第二次世界大戦で犯した日本の失敗と、まったく同じではないですか?
良心ある人間として生きるなら、くだらない「民族の誇り」「国の威信」なんかより、「命」を大事にしましょうよ。
こんなくだらない「仮想敵」に踊らされた記事なんか、気にしないで。