幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

バリアフリー。

ちょっと耳を疑う処分です。

www.chunichi.co.jp今年の7月、帝産湖南交通のバスに瀬田駅から車椅子で乗車しようとしたが、「スロープの操作が分からない」と車椅子対応の車両の運転手に"乗車拒否"され、用務のあった大学への到着の時間が遅れ充分な準備が出来なくなった…と言うのが、この行政処分の発端の事件。

乗車しようとした側の主張によれば、車椅子で乗車可能な装備があるにもかかわらず、時刻表を指定して「このバスは乗れない」と運転士が言ったことが「障害者差別」だとのこと。帝産湖南交通では、スロープ対応バスの時刻表が別途設定されており、それが7年も更新されないようなもので、かつ実際にはスロープ対応の車種であっても時刻表には表記されていないこともあると。

この「障害者差別だ」と訴える人からすれば、装備のある車両で「乗れない」と言うのが差別ということなのでしょうが、運転士の側から見ると、こういう状況でもありました。

「12時1分発のバスが乗り場に乗りつけた時点で、今回の車いすの方々は乗り場におりませんでした。普段、車いすのお客様がご利用になる時は、他のお客様には一旦待っていただいて、先に車いすの方に乗車してもらいます。ただ今回は、他のお客様が乗車してから車いすユーザーの方々が来ました。また、運転士は車いすユーザーの方が乗車できるスペースも空いていなかったと話しています。

そこで運転士は、ノンステップ・ワンステップバス時刻表を見せて、次のバスに乗るようにと説明しました。しかし、当該バスもワンステップバスだったのに、運転士が『このバスには乗れない』『スロープの出し入れの操作が分からない』と言ってしまったのは事実です。不適切な言い方だったと運転士本人も認めています。乗車済みのお客様を一旦降ろしてもう1回乗っていただくのは困難だという旨も含め、丁寧に伝えるべきでした。受け答えや説明が適切ではなかったと、お客様には謝罪させていただきました」



引用:

www.j-cast.com

バスの機能としては、スロープがあり操作をすれば車椅子の乗客も乗せることは可能でしょう。しかし、ちょっと考えてください。一般的な車椅子対応のバスの場合、多くは優先席の座席を跳ね上げ、そこにベルトで車椅子を固定して走行することとなります。

 

このクレームの主の「事件」の場合は、確かにバスの時間には間に合っていますが、既に先に乗車され、座っているお客様がいらっしゃいます。満員でぎゅうぎゅう詰めでなければ、車椅子のスペースがあれば乗れるという訳ではないのです。もし車椅子を入れるとすれば、ずっと時間前に到着しバスを待っていたお客様を、席を立たせて降ろし、それから車椅子を乗車させなければなりません。

そこまでをすべて運転士の責任で押し付けるのですか?
それが本当の「バリアフリー」なのですか?

運転士が率先して乗客に案内し、「車椅子のお客様がいらっしゃいますので、申し訳ありませんが席を立ってください」と案内された方がすべて気持ちよくその通りにしてくれる保証があるのでしょうか?

上記のバス会社の担当のコメントの通り、バス会社も運転士も自らの非を認めて謝罪しています。その上で車両停止処分などという、通常の会社なら営業停止に等しい処分を、この会社は受ける必要があるのでしょうか?

本日近畿運輸局滋賀運輸支局には、電話にて事実の確認と当局の認識を聞き取りした上で、この処分は重すぎると意見させていただきました。

私は障害者であり、かつ運転士を生業とする立場から、この処分はどうしても納得できるものではありません。役人が今後開催されるオリンピックへの対応も含め、障害者対応に過敏になり過ぎているが故の、不平等な処分としか、思えません。

 

本質的な意味での「バリアフリー」を言うならば、障害者の側も、一般の乗客のルールに従うべきなのです。
この事例で言えば「座りたいなら時間前に並んで座れ」と言うだけの単純なことです。健常者と同じルールに乗るべきだと、私は言いたい。車椅子での乗車=座っての乗車なので、順番取りぐらいはするのは当然ではないですか?

それを「座らせてくれない」から「障害者差別」だと叫ぶことは、ちゃんと時間前に並んでいる健常者のルールも守る障害者への侮辱でもあると思うのです。

皆さまはどのように感じますでしょうか?

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