幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

管理費滞納解決に当たり、思うこと。

私の住んでいるマンションの、長期管理費の滞納の件ですが、何とか解決へ向けて動き出しました。

対応をお願いしている弁護士から「和解の希望があった」と連絡を受け、弁護士とも対応を協議しましたが、管理組合としての目的は、長期滞納の解消が第一義なので、滞納者に資金があるうちに回収してしまいましょう、と言うことで和解を受諾することにしました。

基本的な和解条件は、①滞納者が住んでいる物件を売却し得られた資金で、管理費の滞納分全額を支払う、②裁判に関する費用、及び遅延損害金は滞納者の事情を勘案して免除して欲しい・・・の2点です。

滞納者の方は、年金支払義務期間中に未納だった為に年金も受給出来ず、市民税などの租税公課も滞納があり、物件には市役所からの差押の登記もされており、いくらで売却出来るかが、和解に向けての最大の難関だと考えていました。今回は知人と思しき不動産業者が一旦物件を買い取り、適宜分割してリフォーム販売することで管理費滞納分及び租税公課の滞納分を一気に解消してしまう見通しが立ったようです。(先方の弁護士談)

ただ、今回の件で感じたのは、弁護士を立てて訴訟に持ち込んだだけで、こんなに簡単に解決するなら、何で今まで何もしなかったのか?と言うことです。滞納者の方も、管理組合が強行に出てこない限り、おそらくずーっと居直って居座るつもりだったのでしょう。管理組合側の対応も、入居戸数が少ない為に率先して問題を解決しようとする人がまったく出てこなかったことが、問題が長期化した一番の大きな原因です。まったく日本人的性分というか「誰かがやるだろう」的な日和見主義で、誰も何もしようともせずに日々が過ぎ去っただけなのでしょう。それと全てを管理会社任せと言うのもいけません。このマンションは、某大手マンション管理会社の管理ですが、普通であればこの程度の訴訟手続きなんて、管理会社の法務部で充分対応可能なはずです。それを滞納の初期段階からきっちり指摘して、管理会社に指示をしていれば、何も弁護士へ費用を掛けて依頼することもなかったことです。他でもない自分が住んでいるマンションの問題なのに、住んでいる方がほぼ全員自分の問題として認識出来なかったことが、ここまで拗れちゃった一番の原因です。

滞納者の側も、相手を見て対応を考えるんですから、これもまた日本人的で嫌ですね。どうして物事を善悪で判断出来ないのでしょうか?強く言われないから払わないって言うんじゃ、子供の喧嘩にもなりません。

でもこういった「見つからなければ、強く言われなければ良い」的な考え方が、日本に蔓延して来ていることが嘆かわしいです。良い例がひき逃げの急増でしょう。危険運転致死傷罪が新設され、飲酒運転が厳罰に処されることになった為に、逃げてしまえば少なくとも飲酒がバレる事はなくなると考えて、轢かれてしまった人を救助もせずに逃げ出す輩が増えています。

また、信じられないのが給食費の滞納です。払うのが当然という発想は無いんでしょうか?これも滞納の罰則がないから払わないって言うのですから、呆れてモノも言えません。給食費は払わないくせに、ベンツで子供を学校へ送り迎えする親もいるとか・・・。学校や自治体も、給食費納めない親の子供は、給食食べさせない位の対応をしなければダメですよ。結局払わない人間の費用は税金か、他のちゃんと支払っている親御さんの負担になっているのですから。

今回、この滞納者の方は、物件の売却後親族の下へ身を寄せて余生を送ることになりそうですが、世間への“不義理”が解消出来るのですから、これで良いでしょう。本当は初めから、管理費を滞納することが他の入居者にどれくらい迷惑をかけるか考えれば、おのずと採るべき道は限られて居たでしょう。もっと早めに売却していれば、手元に残るお金もあったろうに・・・と思いますが、こればっかりは自業自得ですね。

これだけ大きな滞納を放置したことで、このマンションは給排水管のメンテナンスも遅れ、外壁の大規模修繕も着手出来ず、あと5年もすればスラム化してしまうところでした。私も一時は住宅販売の仕事を手がけたことがあるものですから、どの程度で何をしないと住宅がダメになるかは、分かってしまうんですね。うちのマンションはかなりヤバイ状態であることは、分かって居ましたので。