幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

フィールド・オブ・ドリームス。

公開された1989年に、私にしては珍しく劇場で鑑賞した映画。観終わった後に、不思議にこみ上げてくるものを感じ、目に涙を溜めてしまったことを覚えていたので、機会があればまた観よう・・・と言うのは往々にして中々観ないもの。

 

何故か今日は公休2日目で、前日に予定をすべてこなしてしまったこともあって、これを観ることにしました。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00I7LQKL2/ref=atv_dp_share_cu_r

 

公開時の20代では理解出来なかった主人公の心の機微が、私でもようやく理解できるようになったようで、観終わった心の思いは、公開時とはずいぶん違ったものになりました。

 

・・・偶々でしょうが、この映画を観終えて、実父の訃報がありました。

このブログでも再三触れましたが、私の実父への思いはどちらかと言うと恨みに近いものがありました。

妻にも良く言っていたのは、「俺は親父が死んでも涙の一滴も出ないと思う」でした。

 

本当に一滴も出なかったので、かえって妻が驚いていました。

正直、”憑き物が落ちた”感覚です。

私にとって父は、自らの欲望の為に私に一生の障害を負わせた人であり、兄弟でありながら弟と明確な差別をして実家へ入れようとしなかった人であり、私の大学時代には単身赴任中に母以外の女に入れ込んで全くお金を家に入れなくなって学費と生活費を稼ぐために働き通しにさせた張本人であり、私が息子の実の母と離婚協議に入った際に間違って息子を実家に預けたばかりに、息子をひどい目に遭わせた元凶でもあるのです。

 

ですから、私自身訃報に接する前は自分の感情がどのように動くのか不安でした。怒りの感情で涙が出ないことは予想出来ましたが、おそらく嵐のように押し寄せるであろう恨みや憎しみの感情で、我を失ってしまうのではないかと言うことを、恐れていたのです。

 

でも、その一報を聞いた私は、至って冷静でした。むしろ心が凪になったとでも言いましょうか、ものすごく気持ちが落ち着いたのです。

 

私は、万一父より自分が先に死んでしまったら、父の近くに居る弟の企みなどで、残された妻や息子に迷惑が及んでしまうことを、一番恐れていました。その不安が無くなったことが、私の気持ちがとても安らいだものになった理由でしょう。

 

本当は、生きているうちに父を問い質し、何故私の身体に障害を生じさせるような無責任なこととしたのか、何故私に対し理不尽な差別をしたのか、父の本心を聞きたかった。

 

でも、それも昨年父から車椅子の無心を受けた時に、既に父に痴呆が始まっていてまともに話せる相手ではなくなっていることを知り、その時点で諦めてしまっていたので、今更訃報に接しても、新しく感情が沸き上がることはありませんでした。

 

本当に、心穏やかに接することが出来たのは、この映画を観ていたからかも知れません。

映画の主人公のように、私は父を拒んでいた訳ではありませんし、むしろ子供の頃は尊敬すらしていました。

自分が親になって初めて、父の嫌な部分、怒りが私の心を支配するように、なっていました。

今日で、その恨みの対象が亡くなってしまったことで、私自身、自分の本当の生まれてきた意味を、見つめ直してみたいと、思います。

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