幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

本当の問題。

民主党が大勝しました。

マスコミが垂れ流す事前報道でも民主党圧勝の予測でしたが、まさにその通りの結果となりました。
但し、このことを取り上げて、マスコミが煽り過ぎとか、国民はKY過ぎるとかの批判をするつもりは、私にはサラサラありません。
この結果は、民主党への期待とか評価ではなく、自民党へのNOを突き付けたに過ぎないと、思うのです。

これから本当に問題になるのは、今後の日本の政権運営をどうするか?でしょう。


民主勝ち過ぎ、「2大政党制」雲散霧消か 自民残党、「野党の覚悟」と“乗っ取り”の算段

日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090830/203767/?P=1


このコラムで取り上げる神奈川15区の河野太郎議員は、神奈川県選挙区で自民党候補が次々落選する中、選挙区での当選を決めました。それは自民党ではなく「河野太郎」本人で戦ったからこそ為し得たと言えるでしょう。選挙期間中も既に“野党”として、次の選挙を見据えた訴えを、神奈川15区の有権者に行っていました。それがこの逆風下での当選へと繋がったのでしょう。

しかし、自民党に居ながらこのバランス感覚、党内の重鎮にも是々非々で挑む精神は見上げたものです。また、自民党の最悪の結果となっても、本当に大切なのは2大政党制(=国民が選択出来る政治)を実現することで、その実現の為に必要なことを見据えていることに、私は驚きと共にこの河野太郎という議員を応援したくなりました。

世論が一つの流れに大きく舵を切り、その流れに乗るもの・逆らう者の二つになるだけでなく、もっと必要なものを見据えて動く“眼力”・・・私は個人的には政治家にとって一番必要なものが、この「眼力」であると考えております。また、そう言ったバランス感覚を持った人間がどこかで目を光らせない組織は、企業であれば倒産するでしょうし、国家であっても破綻してしまうと思うのです。


今回の自民党の敗因は、医師会・経団連・郵便局長会などの業界団体に頼った組織で選挙を戦わざるを得なかったことに尽きると思います。
国民が自民党を“見限った”のは、「アニメの殿堂」に見るように“まずハコモノありき”で、政策の詳細の検証を行っていないこと、そして立案する官僚・役人も具体的な検証をまったく付き詰めて行っていない為に、実効性がなく具体性に乏しい、国民に見える成果が生まれてこなかったことにあると言えるでしょう。

麻生政権での経済政策などは、一部の政策通には評価されるかも知れませんが、一体それに何の意味があるでしょうか?。河野太郎議員の、このコラムで取り上げたような“ツッコミ”は至極当然で、その“ツッコミ”を黙認・放置し(或いは、企画した役人に任せっきりで)河野議員を批判する森・与謝野両氏の反応は、自民党の今までの象徴だったのでしょう。



翻って、民主党にも問題点が沢山あります。自民党とは違いますが、労働組合や教職員組合など、背後に「団体」が居ることには変わりはありませんし、これらの団体に“利益誘導”されるような政策がまかり通ることが懸念されます。

その代表的なものが教員免許の更新制度の取り止めでしょう。この教員免許の更新制度は、日本の学校教育の質の低下・児童の学力低下の対策として、まず一度取ったらそのままという教職免許の質を高めることを狙ったものです。
これを廃止するなどと言う発想は、どんな立派な理由(現場が混乱する・教員は充分なレベルにある云々・・・)を付けても、教職員組合の“利益誘導”に他なりません。


私が今回の民主党による政権交代にも寛容なのは、所詮は「角福戦争」の延長に過ぎないと考えていたためです。民主党自民党も、元を糺せば自民党の派閥同士の争いに過ぎませんから。
ただ、河野議員ではないですが、この自民党の負けっぷりはあまりに酷いです。目指すべきは「二大政党制」であり、民主党の独り勝ちは許されません。本当の問題を解決する術を、失ってしまうことに繋がり兼ねないほどの敗戦です。

河野議員には、頑張って欲しいものです。