幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

留学。

土曜日の朝、自宅に居る時は毎日放送「知っとこ!」(番組ホームページへリンクしています)を観ていますが、今日は番組の“こどものみかた”と言うコーナーで、愛媛県中島町野怱那(のぐつな)島の「瀬戸内シーサイド留学」制度が紹介されていました。

「瀬戸内シーサイド留学」は、過疎と少子化に悩む中島町野怱那島の小学校に、他の地域からの“留学生”を1年単位で受け入れるという制度です。
昭和62年からスタートした制度は、平成19年度までで延べ113名の生徒を受け入れているとの事。

http://www.matsuyama-edu.ed.jp/~s-noguts/sub3.html(おいでよ野忽那へ~瀬戸内シーサイド留学制度の紹介ページ)

最初は里親制で地元のご家庭でホームステイの形式を取っていましたが、現在では留学生はシーサイド留学センターに宿泊し、通学するという形をとっています。

留学生の参加は、やはり関西圏が中心ですが、東京・千葉からも数名、北陸・石川から参加した生徒さんも居たようです。

知っとこ!の“こどものみかた”と言うコーナーは、こどもが日頃お世話になっている人の恩返しで自分の力で何かを実現する、それをドキュメンタリー風に追いかけるコーナーなのですが、毎回色々なことを自分でやってのける(勿論、出演者の若干の協力はありますが・・・)子供達の気持ちの純粋さ、ひたむきさについつい、朝の忙しい中でも手を止めて見入ってしまうコーナーです。

今日は一風変わって家庭のお子さんとしてではなく、瀬戸内シーサイド留学を受け入れる野忽那島の小学6年生、立花佑介君が主役です。
平成20年度の留学生としてやってくる子供達に歓迎の気持ちを表して、良い想い出を作って欲しい・・・とのことから色々なイベントを企画しますが、中々にシャイな性格が災いして、最初は上手く行きません。

番組の冒頭で、昨年度の留学生が島を離れる卒業式のシーンの放送があったのですが、子供たち全員が寂しさから泣き出してしまうシーンは、ちょっともらい泣きしてしまいました。
でも、このシーンでは毎日放送の番組作成の“良心”を感じました。卒業式のシーンから一切のナレーションもBGMも止めているんです。プロデューサーは「これは一切の装飾を廃すべき」・・・と判断したのでしょうが、それがこのシーンでは本当に有効でした。

ちょっと話が横道に逸れましたが、この瀬戸内シーサイド留学の制度、残念ながら今年で最後との事です。何故なら、受け入れる側の野怱那小学校が、立花佑介君が卒業してしまう来年度以降、生徒が居なくなってしまうからです。

http://mainichi.jp/area/ehime/news/20080408ddlk38100489000c.html(毎日jp愛媛)

何だか身につまされてしまいました。そもそも、過疎で子供が少なくなる、だから他の地域の子供を受け入れて地元の子供の活性化も目指していたはずなのに、その肝心の地元の子供がいなくなってしまうなんて・・・

日本のアンバランスをつくづく感じてしまいました。全ての価値観が東京一極集中してしまっています。現在関東圏に住んでいる私に言えた義理ではないのかも知れませんが、これは国として良い状態では無いと思うのです。

この瀬戸内シーサイド留学で体験出来る事も、番組の出演者のひとり、桂ざこばさんもおっしゃってましたが、昔は普通に体験出来たことばかりです。自然の中で自分たちで工夫して遊びの道具を作ったり秘密基地を作ったり・・・。私が子供の頃も、北陸・石川の自然の中で、似たような体験がいくらでも出来ました。

今は、自治体や親が自分たちの手間や管理責任を問われることを恐れて、子供たちの可能性や自由を、どんどん奪っているように思います。それも、子供を育てている中で、そんなに手間を惜しむのなら子育てする資格などないと言いたくなるような、勝手な大人の都合ばかりです。

子育てで一番大変なのは、信頼して放任することです。外から干渉せずに見守る・・・そういう環境を社会全体で作って行かないと、日本は本当に子供にとって不幸な国になってしまいます。それは人間が人間らしく生きることの出来ない社会に繋がっていくように思えるのは、私だけなのでしょうか?

そんなことを、この瀬戸内シーサイド留学制度を調べるうちに、感じてしまいました。