幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

iPhone、買いますか?。

発売当初からブームとなり、品切れが相次いでいたと言われるAppleのiPhone、そのブームに陰りが出たのでは?との観測も出てきました。

アイフォーン発売1カ月 ブームは息切れ? 料金変更で販売てこ入れ
http://sankei.jp.msn.com/economy/it/080813/its0808130652000-n1.htm

個人的な感想を言わせてもらえば、「面白そうだけど買うほどのことはない」ですね。日本の発売が遅れたのはキャリアの問題で揉めたこともありますが、なんだかんだと「これは日本では売れないぞ」と判断される方も多く、導入を検討したキャリアの担当者も、発売に二の足を踏んでいたという側面もあるような気がしています。

Appleのビジネスモデルは“ニッチ”ですよね。一般的な同等商品との差別化をはかり、それを商品価値として所謂“マイナー志向”の人たちへフォーカスを当て、シェアよりも利益優先でのマーケティングを行ってきた企業です。

企業としての実態も無いに等しく、勿論自社の工場も持たない「ファブレス」企業ですし、デザイン以外の開発は生産委託先企業に委ねられているというのが実態です。更にWorldWideでのサポートも全て各国ごとの委託と、全てにおいて“地に足が着いていない”企業の典型と言えるでしょう。

考え方を変えれば、限りあるヒューマンリソースをアイディアに集中し、高収益を上げているとの見方も出来ますが、個人的にはこの企業は正直に申し上げるなら嫌いな企業に属します。

日本の企業も一時「リソースの集中」などと言って、体力に劣る企業ほど生産現場から離れ、知的財産のみで勝負することが企業経営の美点・・・とする向きもありました。しかし、現在の流れは「やはり、最後はモノづくりの現場を知らない企業は負ける」という価値観へ移行して来たのではないでしょうか?

商品を供給する生産側の企業が、その生産にまったくタッチせず利益だけ上げるという方法が、長続きするでしょうか?勢い、マーケティング優先・売れること重視の開発となりますので、製品のメンテナンス性は低く、部品によっては分解することで再使用不能になるものも多く含まれています。これは言い換えると故障率の高さにも繋がり、またメンテナンス性の悪さは、故障した製品の再修理の可能性を引き上げることにも繋がりますので、極端なものを買ってしまった人は、自宅にある時間より修理中の時間のほうが長い・・・などという事態にも繋がり兼ねません。


個人的にAppleが嫌いな理由は、もうひとつあります。Appleのロゴです。あの、リンゴをかじったロゴは、元々はビートルズのアルバムのセンターラベルのデザインです。それをAppleは会社のロゴにビートルズに無断で使用し、ビートルズの版権を管理しているApple Corpsから訴訟を起こされ見事に音楽関連での使用差し止めとなり実質“敗訴”しています。
彼らは音楽についてのロゴで、あのリンゴをかじったマークを使ってはならないのです。

参考URL: http://blog.nikkeibp.co.jp/arena/ipod/archives/2006/05/post_36.html

但し、この件については法的判断で、「HDDとCDは別物」ということに落ち着いたようで、iPodやiTunes Music StoreiTMS)での今後のリンゴマークの使用は、今のところは認められています。(「今のところ」としたのは、ビートルズ側が控訴の意向を持っている為です)
だからといって、一度音楽関連での使用をしない・・・という約束をしたにも関わらず、それを一方的に反故にして(おそらく法的にチェックを入念に行い、自分たちにも勝ち目があると踏んでの約束違反だと思いますが)いる企業姿勢そのものに、私はビートルズファンとして、大変な怒りを覚えるのです。

第一、誰でも知ってるでしょう?音楽をちょっと聴いたことがあれば、ビートルズのレコードレーベルが「Apple Records」で、センターレーベルにリンゴのマーク(A面は普通のリンゴ、B面はレコードによって半分切りのものだったり、芯だけだったり、一部かじってあったり・・・とユーモアに富んでいますが・・・)がついている事ぐらいは。

惜しむらくはビートルズ側のApple Corpsが法的にはまったく疎く、Appleコンピュータ側との和解の際の内容を、しっかり吟味出来なかったことで、それがこの騒動を招いているとも言えなくはないのですが・・・。


話をiPhoneに戻しますが、あのデザインと操作性に価値を見出す人は「欲しい」と思うでしょう。でも携帯としての機能は日本のメーカーに分があります。私などは音楽プレーヤーもiPodは使いませんので、あのタッチパネルの操作性に魅力を感じない限りは、契約してまでiPhoneを使いたいとは考えないでしょう。

発売当初に爆発的に売れたのは、Appleコンピュータ側の綿密なマーケティングの賜物と思いますが、それよりも何よりも、Appleのユーザーは、人と違うことに価値を見出しますので、発売すぐに所有することに無情の喜びを得ることが出来る人種が多いのではないか・・・と勝手な予想をしてしまっております。そうするとあの爆発的な人気も発売当初限定で、今後は「他の売れないケータイ」と大して変わらないセールスで終わるのではないかと予想しております。

勿論、ビートルズの熱烈なファンとしての私は、リンゴマークの台頭を苦々しく思っておりますので、そのまま「ただのケータイの1機種」で終わってくれれば良いと思いますけど。。。