幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

死んではいけない。

2009年の12月10日、新宿区の東西線早稲田駅でひとりの男性が、亡くなりました。

息子の無念を…痴漢と呼ばれ自殺、母が目撃者捜しビラ配り ~ ZAKZAK

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100506/dms1005061611006-n2.htm

亡くなられたのは原田信助さん。

JAXAから都内私大の職員に転じ、その職場の懇親会の帰りの10日11時ごろ、総武線中野方面行きの構内階段を上る途中で、すれ違った女子大生のお腹を触った・・・と言いがかりをつけられた上で、突然女子大生と一緒に居た男子大学生2人に階段から突き落とされ、馬乗りになって暴行にあった挙句、警察で事情聴取を受けたと言うことです。

警察の対応がこの記事でははっきり書かれて居ませんが、おそらく取り調べにあたった刑事は、暴行の“被害者”でしかない原田信助さんを痴漢であると決めつけ、事情聴取の確約書を、強引に書かせた上でようやく翌朝5時45分に「釈放」したようです。


痴漢というと、それだけで犯罪が成立するとお考えの方も多いかと思いますが、そうではありません。
痴漢という行為で処罰するには、強制猥褻または準強制猥褻、あるいは暴行罪で容疑者を告訴する形をとります。そしてこれらは親告罪(被害者の告訴がなければ立件出来ない)であるので、痴漢で罪に問われる時には「被害者」からの告訴が必ず必要なのです。

痴漢 ~ Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%B4%E6%BC%A2

痴漢冤罪 ~ Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%B4%E6%BC%A2%E5%86%A4%E7%BD%AA


しかし、この原田さんのお母さんが立ち上げたブログの内容を拝見する限り、取調べを行った新宿署では適切な聴取が行われたとは思えません。
そもそも痴漢行為が成立出来るような状況とは、とても思えません。階段ですれ違いざまにお腹を触られたと言っても、かばんが触っただけかも知れませんし、それにその触れたものが何か特定出来るほど注意を払って階段の上り下りが出来るでしょうか?

私はこの事件を知ってすぐに、この大学生は元々原田さんを恐喝する目的だけだったのではないかと、考えました。突然痴漢呼ばわりされ、いきなり暴力を振るわれれば誰だって怯みます。あわよくば怯んだ相手から、その日の遊ぶ金を巻き上げるくらいの考えしかなかったのではないか・・・そんな風に思えます。
この加害者二人の大学生は、逃げることもない原田さんを突き飛ばし馬乗りになると言う暴力行為に及んでいます。これではたとえ1,000歩譲って本当に原田さんのかばんか何かが女子大生のお腹に触れていたとしても、過剰防衛以外の何者でもなく、この行為をまったく処罰しようとしない警察の姿勢は、女子大生の申告しか証拠がない状況では適正だとは言えないでしょう。

マッタク何の証拠もなく、「被害者」だと言い張る女子大生の言葉だけを元に言いがかりで暴力を振るった茶髪の男子大学生二人・・・としか思えない状況で、どうして警察は原田さんのお母さんからの暴行被害の告訴を受理しないのでしょう?新宿署は更には「もう書類送検しているから新宿署は関係ない」とまで言って居るとの事。お役所答弁に呆れてものも言えません。

原田さんのお母さんは、息子さんの無実を信じてブログを立ち上げ、目撃者を募っています。

目撃者を探しています!平成21年12月10日(木)午後11時頃新宿駅での出来事です。
http://harada1210.exblog.jp/

先ほど私は、痴漢は「親告罪」であると申し上げましたが、何を言いたいかというと、被害届を警察には出しているはずなのです。それであれば相手方は特定出来ているはずですから、警察が動かないのであればまずは民事で名誉毀損訴訟を起し、相手方を同じ土俵に引っ張り出しても良いのではないかとまで、考えます。


自ら命を絶った信助さんの絶望は、26年間の人生で最大のものだったでしょう。これまで何の障害も困難もなく、順風満帆に歩んできた身には、突然降りかかったこの災難は途方もなく大きく厳しいものに思えたことは、想像に難くありません。

それでも、私は信助さんに「なぜ死んでしまったんだ」と言いたいです。ここで自分から命を絶っては、相手に負けを自ら認めるようなものです。どんなに日本の司法がおかしくても、信助さんをお母さんは信じているのです。

そのことだけでも闘って欲しかった、言いがかりをつける奴に不戦敗だけは選択しないで欲しかった・・・私自身、「言いがかり」をつけられ苦しんで居る身ですので、何だか他人事ではありませんでした。でも、私は負けません。一般的にはどんなに状況が不利でも、自分が間違っていないのなら、とことん闘うべきなのです。諦めればそこで終わるのですから。

最後に、信助さんへ。ひとりであなたを信じて闘っている、お母さんを見守ってあげてください。そして安らかに眠ってください。


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