気が付いたら
多くの時間が過ぎ去って
見えてはいても
知らないふりで自分の老いに目を逸らしていた
ちょっと前にあれこれしたいと思っていたことすら
埃塗れの汚れた箱の隅っこで置き去りのまま
髭を剃るのに鏡を見ても
見える皺だらけの爺は誰だなんて
考えることも忘れて
流れる時間に追い縋っているだけの自分
それでもね
これまでに手を抜いたことはないんだよ
間違っていたかも知れないけれど
その時の全力を尽くし
これでダメなら自分がダメ
それまでの奴なんだと思って
前だけ向いてやってきた
明日はどんな風が吹くんだろう
そんなの明日にならなきゃ分からない
それでも明日はやってくる
自分に吹く風なんてたかが知れてるが
吹いた分は自分で
次を決めようか