幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

モラルハザード。

学校「モラル欠如」指摘/給食費未納全国最悪(沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200701251300_02.html

給食費の未納問題で各紙が取り上げていましたけど、私は「全国最悪」となってしまった沖縄県の新聞をピックアップしてみました。

沖縄県は、飛びぬけてこの滞納率が高いです。沖縄というと背景に不景気や親の失業問題もあるのではないかと考えてしまいますが、ことはそれほど単純ではなさそうです。

J-CASTニュース 沖縄の給食費滞納率 異常に高いのはなぜか」http://www.j-cast.com/2007/01/27005165.html

私の子供の頃も、給食費の滞納はまったくなかった訳ではないです。でも、給食費を払えないなんて、この当時は学校へ裸で行くのと同じくらい、恥ずかしいものだったと思います。ちょっとだけ給食費の支払が遅れても、担任の先生は、周りの子に気づかれないように気を利かせて、教室ではなく職員室へ持って来させたりしてくれたものです。

それが現在では、先生が自宅へ回収に行っても恥ずかしくは無く、ただ鬱陶しいぐらいにしか思わないんですね。給食費の滞納が増えている、という問題には、払わない事に対して、悪いこと・恥ずかしいことと親が思わなくなって来ていることが根っこにあるように思います。

日本人がお金の支払に几帳面だったのは、お金の支払がルーズであることが“恥ずかしい”と言う意識が働いていたからです。これは、私が元金貸しだから余計に体験していますが、人がお金を払おうとする動機でもっとも強いのが、この「恥ずかしい」という意識です。それが無くなっている保護者が増えているようでは、給食費の未納が増えて当然なのかも知れません。

給食費が未納になった場合でも、それを何かで補填しているかというと、実際にはそんな事は行われずに、払ってくれた人のお金だけで、給食を作って出している自治体が多いとのことです。自治体としても給食費の未納の為に、ほかの予算を削ってまで補填できる余裕のあるところは、無いでしょう。

でもこれって、要は踏み倒した親の子供は、払ってくれている親のカネで給食を盗み食いしているようなものでしょう?この構図は消費者金融の返済にもちょうど当てはまってしまうところがなんとも言えないですね。消費者金融も、真面目に返済している人が、返さない人の金利はおろか、元本まで負担していることには変わりないのですから。

対策としては、「払わない親の子供には給食は出さない」っていうのがも最もシンプルで判りやすいですけど、そうすると経済的に本当に払えない子供も割りを食ってしまう懸念があります。それはそれで問題がありますよね?この給食費滞納問題をきちんと解決するには、本当に払えない親と、払えるのに払わない親の見極めが必要になるでしょう。

宇都宮では、滞納する保護者に対して支払督促の申し立てを行い、かなりの成果をあげているそうです。

給食費滞納:裁判所に督促申し立てで大幅減 宇都宮(毎日新聞http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070127k0000e040067000c.html

NHKの行った支払督促は、私は同意しかねますけど、こっちはもっと積極的にやるべきです。まあ、ここまでしなければ払わない親って、その時点で親失格ですけどね。(特段の事情が無い限り)

私が一番懸念しているのは、こういうことする親の子供は、やっぱりこういうことするようになるってことです。子供は親の背中見て育ちますからね。本当は給食費払わせるよりも、子供取り上げてちゃんと社会的規範を教えられる人に育ててもらうほうが、必要なことかも知れません。(過激すぎかな?)