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幕張の風

So-netブログ「From Makuhari~幕張の風」から移転しました。 仕事のこと、ニュースのこと、音楽のこと、野球はMarinesと高校野球中心に書きとどめたいことを書いて行こうと思います。

人間力。

第91回全国高校野球選手権大会は、愛知県の中京大中京高校の優勝で幕を閉じました。

それにしても今大会は、終盤の逆転や粘りが身上のチームが多かったように思います。あと一歩及びませんでしたが、新潟県代表・日本文理高校の最終回の驚異的な粘りは、実際に生でご覧になられていた方は、心の底から沸き立つものを感じたでしょう。

その最後まで諦めない「粘り」を呼び込むもの・・・私は“人間力”だと思います。一時期の私学の生徒集めの格好のエサとして、「野球留学」による有望選手のかき集めに象徴される“勝利至上主義”も、一昨年の佐賀北高の全国制覇から、流れが変わって来ている様に感じるのは、私だけでしょうか?

今年の甲子園出場校で、甲子園だけではなく地方大会を終盤の逆転による劇的勝利で勝ち抜いて来た高校が、数多く見受けられました。千葉代表・八千代東もそうですが、私の故郷・石川の代表日本航空石川も、終盤の逆転劇で能登地区の学校としては初めての甲子園出場を勝ち取りましたし・・・。

そういった学校の中で、準々決勝を終盤エースが故障で投げられなくなりながらも、チーム全体の「粘り」で勝ち上がったチームがあります。

岩手県代表・花巻東高校です。

高校野球.com内の人間力×高校野球と言うコラムで、花巻東高校が取り上げられていました。

http://www.hb-nippon.com/column/95-hb-nippon-columnnuzihara/547-clmn2009-01-date20090423no02u

私は、試合後の両チームの選手の動きを見ると、大体どういう教育を日頃その監督がなさっているかが分かるので、いつも観察しているのですが、花巻東の選手は、私の考えるベストのマナーを実践出来ていました。

スポーツマンシップが誤解される中で、ゲームセット後に整列し一礼すると、すぐに両チームが握手を求めるのが「マナー」と思っていらっしゃる方も多いかと思いますが、本来はお互いがお辞儀をして健闘をたたえあったあとは、先ずは審判団に一例するのが本当の「礼儀」なのです。
それをきっちり、花巻東高校はさりげなくこなしていました。
(今日の決勝も、日本文理の生徒さんは審判団への礼を忘れていませんでしたね)

また、敗戦後の選手達のコメントが皆、このチームで野球が出来たことへの誇りと感謝で満ちていることに、私は感心しました。「この子達は野球だけでなく、もっと上のレベルを考えて高校野球に取り組んでいる」・・・そのことに、正直私は驚きました。こういう指導は、母校・習志野高校の吹奏楽部とまったく同じなのです。

その理由はこのコラムに書かれている佐々木監督の指導の賜物だと、すぐに腑に落ちました。

以前、私は佐賀北高校の優勝をたたえた時に、コメントでマナーを重んじる私の姿勢に批判を浴びたことがあります。
http://makuhari-windy.blog.so-net.ne.jp/2007-08-23

高校野球に限らず、スポーツは技術だけを磨けば勝利が手に入るかと言うと、絶対にそんなものでは無いと、私は思います。
表立って成果が得られないことでも、何度も繰り返し練習する・・・そういったことを着実に堅実にこなしてきた人間だけが、終盤の驚異的な粘りを発揮出来るのです。どんな状況に置かれても、それがどんなに厳しいものであっても、自分達のこなしてきた練習を信じ、チームワークを信じている・・・それだからこそ1球1球に極限まで集中でき、そこから“ミラクル”と呼ばれる粘りや逆転へと繋がるのでしょう。

そう考えると、“ミラクル”などはこの世には存在しません。全ては日々の積み重ねの結晶となるでしょう。そして指導する人の想いや心が生徒達に伝わり、自分達で昇華出来たときに初めて、花巻東のような素晴らしいチームワークの学校が出来上がるのでしょう。

このような指導者の下で野球が出来る選手達は、本当に幸せです。それと同時に、花巻東高校が深紅の大優勝旗を手中にすることも、それほど遠い未来ではないかも知れません。
それよりも何よりも、花巻東高校の選手達の未来に多くの喜びがありますようにと、祈らずには居られません。