白タク。
何でも、“アプリ”や“Web”を媒介すれば、「新しいサービス」になるとでも、思っているのでしょうか?
ちょっと前にUberなどのライドシェア業者の日本進出断念で、ひとまず日本はタクシーサービスの品質は保たれたと思っていたのですが、また新手のUberもどきが出現しています。
crewcrew.jpなんでも、「“今までにない新しい移動手段”ではなく、昔ながらの日本人の生活の知恵である「“おもてなし”と“ありがとう”の循環」をテクノロジーによって拡張したプラットフォーム」だそうで。
このサービスの運用会社は、こちら。
azit.co.jpどちらにしても、立派なホームページですねえ。
ただ、内容が立派かと言うと、これで事業化して良く億の単位のカネが集まったなと思えるほどの、稚拙な内容です。これでも私は一度は起業した人間です。こんな未熟なプレゼンで公開するなんて、あり得ません。あ、これはプレゼンじゃなくてホームページですよね。こんな詰めの甘い内容で公開して恥ずかしくないのでしょうか。
「安心・安全の理由」というページを見ても、国土交通省の通達に沿った運営を行っているそうですが、具体的にどこがどうだという記載もなく、道路運送法78条に定める登録または許可を要しないという“主張”のみで、それが法令に則ったサービスであると、どうして主張出来るのでしょうか?
安全であるならば、どういう配慮をしているから安全ですというならば理解出来ますが、「登録または許可を要しない」ことは、有体に言えば「法の抜け穴」の訳で、それを堂々と「法令に沿ったサービス」と言ってしまう傲慢さに呆れてしまいました。
また、秩序あるコミュニティ形成の仕組みを用意しているそうですが、ドライバーの「厳正な審査基準」にも具体的記載がありません。せめて運転歴5年以上無事故無違反とか、そんなことも書けないのでしょうか?
それと併せて記載されている相互評価ですが、これは謝礼の支払い行動にも左右されそうな内容です。運送の対価は求めず謝礼のみとのことですが、謝礼の少ない利用者(このサイトでは“ライダー”というようです)はドライバー側から依頼を拒否することも可能になることですので、この項目一つだけでも、「それは謝礼じゃないだろう?」とツッコむことの出来る仕組みでは、無いですか?
この事業を国土交通省が黙認し進めようとしている理由は分かりませんが、(はっきり言わせてもらえば、この企業の関係者が国交省の役人と縁戚関係にあるとか、もしくはこの企業に出資した人物や団体が国交省と関係があるとか、そんなことを疑いたくなります)ライドシェアを認めている国や地域の現状がどうなっているのか、それをまず知ることが、必要ではないですか?
この方に言わせれば、「日本は遅れていておかしな国」だそうですが、このニューヨークの現状を見ても、本当にそう言えるのでしょうか?
はっきり言ってライドシェアは失敗ですよ。社会の秩序を乱し安全を破壊することだと、思うのです。本当に無料で空いている自家用車の座席を社会で共有出来るなら良いでしょうが、現実はそれを「カネに変えよう」とする連中の思惑ばかりが跋扈しますから、最終的に割を食うのは利用者になってしまう結果が、見えてしまうのです。